コラム パーツとツールの達人
第8回 プラグの基礎知識とDCプラグ
DCプラグは名前の通り、DC電源を供給するために利用されるものです。多くの機器に採用されており、コネクタの中でも非常にポピュラーなものと言えるでしょう。前回紹介したACアダプタにはDCプラグが採用されているものが多いので、名前は知らなくても、その形を見たことがないという人はまず居ないと思います。
またこのコネクタは、実に多くのサイズが存在することでも知られています。実際に、とあるコネクタメーカーのHPを見ると、実に32種類ものDCプラグがラインナップされていました、表1がそのメーカーが販売しているDCプラグの一覧なのですが、本当に多種多様なものが用意されていることがわかります。国内外にある他のメーカーで作られているものまでを含めると、いったいどれほどの種類があるのか想像もつきません。
内径(mm) | 外径(mm) | 端子長(mm) |
---|---|---|
0.7 | 2.35 | 10.5 |
1.35 | 3.5 | 6.5 |
1.35 | 3.5 | 9.5 |
1.35 | 3.5 | 6 |
1.35 | 3.5 | 7 |
1.35 | 3.8 | 7 |
1.5 | 5.5 | 11 |
1.7 | 4 | 11 |
1.7 | 4.75 | 9.5 |
1.7 | 4 | 13 |
1.7 | 4 | 9.5 |
2.1 | 5 | 9.5 |
2.1 | 5.5 | 9.5 |
2.1 | 5 | 11 |
2.1 | 5.5 | 11 |
2.1 | 5 | 12 |
2.1 | 5.5 | 12 |
2.1 | 5.5 | 12.5 |
2.1 | 5 | 14 |
2.1 | 5.5 | 14 |
2.1 | 5.5 | 8.76 |
2.5 | 5 | 9.5 |
2.5 | 5.5 | 9.5 |
2.5 | 5 | 11 |
2.5 | 5.5 | 11 |
2.5 | 5 | 12 |
2.5 | 5.5 | 12 |
2.5 | 5.5 | 14 |
2.5 | 5.5 | 10 |
3 | 6.3 | 12 |
3.3 | 5.5 | 9.5 |
3.5 | 5 | 12 |
通常は、供給する電圧や電流に比例してサイズの大きなものを使用するのが望ましいとされており、ある程度のラインナップが必要なのは当然のことです。しかし、それにしても数が多すぎると感じる人は少なくないでしょう。ましてや、内径、外径、端子長がサイズに応じて変化するというのであればともかく、外径が大きくても内径の小さなものや、その逆になっているものもあります。なぜ、これほどまでに多くの種類が存在するのでしょうか。
その答えは、前項でも紹介したように誤接続を防ぐためです。というのも、実はこのDCプラグはサイズはもちろんのこと、そこに流れる電圧や電流の量。そして二つある端子のうち、どちらを+するかなどは制作者の判断に委ねられているのです。しかも、ACアダプタを利用する機会の多い現在では、どのアダプタがどの機器に対応しているのかわからなくなってしまう可能性も少なくありません。そこで、もしも誤ったACアダプタを接続してしまうと、故障や発火の可能性もあります。そのような理由から、誤接続を防ぐ目的で汎用的に利用されているものを避け、特殊なサイズのものを採用する機器が増えていったというわけなのです。
とはいえ、これも前の項でも述べたように、使用している機器が増えてくれば、それを入手したいという市場のニーズも高まり、いずれは普通に入手できるようになります。そしてまた、メーカ側は誤接続のリスクを減らすために、特殊なサイズを求めるという流れとなり、ここまでバリエーションが広がってしまいました。またこのDCプラグには、比較的最近まできちんとした規格が存在していなかったことも、その要因となったことは間違いないでしょう。
あまりにも色々なサイズがあるため、なかには規定のプラグだけでなく、近いサイズのものなら接続できてしまう場合まであります。先の表を見てください。数あるDCプラグの中で、現在、最も普及しているのは、外径が5.5mm、内径が2.1mm、端子長が9.5mmのものです。例えばこのプラグ用に作られたジャックには、端子長だけが違っているプラグはもちろんのこと、内径が同じで外径が0.5mmほど小さなものなどは入ってしまいます。しかもその場合、電気的にもつながってしまう可能性が高いのです。
しかしながら、元々はサイズの違うプラグなので、継続的に安定した動作をするという保証はどこにもありません。抜けやすかったり、時間とともに接触不良を起こすなどの可能性が高いのです。したがってDCプラグを購入する際は、ジャックに入って導通しているからといっても、本当にそのDCプラグが適合しているのかは、よくよく確かめなければならないわけです。