浜岡原子力発電所がある静岡県御前崎市で4年前に国が開いた原子力関連のシンポジウムを巡り、中部電力は、経済産業省の原子力安全・保安院から事前に、地元の人に賛成側の質問をしてもらうよう、いわゆる「やらせ」の依頼を受けていたことを明らかにしました。原子力政策に詳しい九州大学副学長の吉岡斉教授は「電力会社ばかりでなく、政府まで関わっていたことが分かり、ここまできたかという気がした。国民に対して責任を負う組織が片方に加担するのは、やってはいけないことで、許されないことだ」と厳しく批判しました。また、問題が起きた背景について、「経済産業省は原子力発電を推進するという価値観を持っていて、その役所に規制する役割を果たすはずの原子力安全・保安院も入り、推進と規制が一緒になっていたということが根本的な原因だと思う」と指摘しました。そのうえで「保安院は早急に解体し、新たに作る規制機関では、これまで推進に関わった人を除き、規制に専念する機関として独立させるべきだ」と話しています。