体でブルザノビッチ(右)のシュートをブロックする増川(左)=愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで
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名古屋グランパスは27日、愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで31日の福岡戦(レベスタ)に向けて練習した。DF増川隆洋(31)は、プロのキャリアをスタートさせた古巣・福岡との対戦にも、個人的な感情を捨てて勝負に徹する。
中央を攻め上がった増川はスルーパスに左足でゴールを決めた。ストライカー姿も絵になるが、やはり本職は守備。191センチの大きな体を投げ出してブルザノビッチのシュートを正確にブロックする反応には頼もしさが漂った。
前節の広島戦ではクラブ史上1000ゴール目というおまけまでついた今季初得点を記録した。しかし17試合を消化して1得点の成績に「半分でやっと1点。(センターバックの)相棒(DF闘莉王)は少ないと言うけど、僕はこれくらいでいい」。得点は順調にゴールを重ねている攻撃陣に任せて、無失点に抑える守備を最優先する。
昨季はJリーグベストイレブンに選出された増川だがプロ生活は順風満帆だったわけではない。福岡に入団したのは大商大を卒業した1年後の2003年。練習参加というかたちで浪人期間を経たスタートだった。福岡への特別な感情はあるが、「情を持つことはグランパスのサポーターにも失礼になる。勝負は別物」と割り切っている。
古巣対戦は4度目になる。2006年、アウェー(3月21日、博多球)ではけが明けで途中出場し、ホーム(11月26日、瑞穂陸)ではフル出場で2−0の勝利に貢献している。ことし5月29日にはホームで5−2の勝利を飾っている。移籍して7年目の今、ほかの試合と同じように「勝つ」という意識しかない。
「最下位とはいえ内容は良くなっている」と、増川が指摘するとおり、福岡は7月に2勝2敗1分けと五分の星を挙げている。開幕から7連敗中だった前回対戦より確実にチームの状態は上がってきている。「油断せず、しっかりゼロに抑えたい」。常に100%のプレーを見せることが、古巣に対しても一番の恩返しになると信じている。 (伊東朋子)
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