ちまたの旬な話題から、日本の未来像を問うテーマまで。


平成の「悪党」はこう作られた

2011.07.28

岡留安則の「東京−沖縄−アジア」幻視行日記

岡留安則 プロフィール

■7月某日  中国の高速鉄道事故は久々に見た衝撃映像だった。高架橋から落下した先頭車両を地中に埋めてしまい、批判が殺到するとあわてて掘り起こして、事故解明するという姿勢に転換。一日半で通常運転も開始した。事故で亡くなった犠牲者には日本円で600万円の支給も早々に決定した。やることなすこと、共産党一党独裁の国家らしい、電光石火ぶりにビックリ仰天だった。日本、フランス、カナダの新幹線技術を取り入れたばかりではなく、より進化させた技術だと胸をはり、米国でも特許を出願すると意気込んでいたが、見かけはともかく安全性に関しては手抜きそのものだったことが判明した。いまだに、事故の原因は明らかにされていないが、自動制御システムが作動しなかったとの見方がなされている。中国当局の情報隠しは誰しも疑うところだろう。それでも、原因などお構いなしに運転再開させるという中国の姿勢には、人命よりも国家のメンツを優先させ、いずれ世界各国に輸出するという国家戦略があるのだろう。しかし、事故の映像が世界中に発信された以上、この「危険物」を安易に輸入する国があるとは思えない。中国が影響力を強めているアジアやアフリカは、政治的工作で商売を実現させるのかもしれないが。
 
今回の中国での事故に対して日本のメディアは皮肉たっぷりに報じていたが、他人事ではあるまい。テレビや新聞は電力会社から巨額の広告費をもらっている関係で、原発事故報道も実に甘い。東電や経産省の原子力安全・保安院の言いなりの広報が多く、原発事故の真相隠しに手を貸しているとしか思えない報道も多い。時々、「日本テレビ24」のニュース番組を見ていると、突然、細野豪志大臣主導の東電や保安院などの合同記者会見に場面が切り替わる。見ていると、質問する記者たちも、知識不足もあって、ご意見拝聴という印象だ。中には真面目に教えを乞う記者もいる。これだけの大惨事にもかかわらず、情報隠しの常習犯だった東電に対する追及が甘い。本来ならば、喧嘩腰でも突込みを入れるべきなのに、記者たちは上品でおとなしい。これじゃ、東電にうまくだまされた大本営報道しかできないのではないか。
 
中国の鉄道事故を笑えないのは、いまだに福島第一原発の事故の全容は解明されていないのに、玄海原発の再稼働事件にみられたように、東電や経産省の原発再稼働の戦略に乗っかり、それに同調する動きをみせたことだ。これじゃ、中国と一緒じゃないか。調査報道も批判力もあまりにも乏しいメディアに腹立たしくなる。むろん、財界だけではなく、経産省や自民党は当然としても民主党内にも原発再稼働派は多い。菅総理下しに躍起となっている仙谷グループの野田、前原、岡田らも原発再稼働派だ。ま、海江田経済産業大臣ですらそうなのだから、脱原発路線に関してはあまりにも抵抗勢力の存在が大きい。その大義は原発を止めれば、日本経済が低迷し、電力料金もあがり企業は海外に逃げていくという世論操作だ。これも、人命よりも経済優先という中国政府の方針と同じではないか。他人事じゃないのだ。
 
筆者は菅総理に関しては数々の批判を展開してきた。かつての友人にもかかわらず(笑い)。総理になってから褒めた記憶もない。何せ、「国民の生活が第一」と相反するダメな政策ばかり打ち出してきたからだ。しかし、これだけ菅おろしの大合唱が強まると、原発利益共同体からの政権潰しが背景にあるのではないかと勘繰らざるを得ない。菅総理には何も期待していないが、この際、再生エネルギー法案に道筋をつけて、脱原発を明確にして欲しいと思う。菅サポーターのソフトバンクの孫正義にも嫉妬めいた批判も出ているが、日本の将来のためには孫氏が太陽エネルギー政策を商売にしても全然ノープロブレムではないか。原発の恐ろしさに無自覚な連中に国の将来を任したくないという思いは当然ではないか。

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