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【新聞チェック】当面、死刑執行しない意向 江田法相が読売のインタビューに答える

BLOGOS編集部

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 江田五月・法相は、死刑制度のあり方が法務省内の勉強会で議論されていることを受けて、「(議論の)最中に執行することは、なかなかできる話ではない」と28日付の読売新聞のインタビューに答えた。当面は死刑執行を命じない意向を明らかにした。この日、最後の死刑執行からちょうど1年を迎えており、死刑廃止論者として知られる江田法相が、改めて死刑執行に慎重な立場を示した格好だ。(BLOGOS編集部・安藤)

「理性が人の命を奪っていいのか」


 
 同紙によると、27日現在の死刑囚は過去最多の120人。1年間で13人増加した。昨年7月28日に、千葉景子法相(当時)が2人に執行して以来、死刑の執行はない。法務省では昨年8月に、死刑制度の勉強会を設置したが、まだ論点を整理する段階で結論は出ていないという。
 
 読売新聞社の取材に対し、江田法相は次のように語っている。
人間と言うのは理性の生き物なので、理性の発露として(死刑で)人の命を奪うのは、ちょっと違うのではないか。(死刑の)執行が大切だということも一つの国家の正義で、そのはざまで悩んでいる。

(法務省内の死刑勉強会では)心に響く議論がなかなかない。国内の世論は死刑存置論が多いが、死刑廃止に向けたいろんな手順を考える議員連盟もあって、その提案を聞きたい。悩みながら考えるということだから、(議論の)最中にその執行をするというのは、なかなかできる話ではない。(勉強会の結論について)時期的なめどを持っていない。

「棚上げは許せない」の声も



 江田法相の主張に対して、読売新聞では「こうした状況に疑問の声をあげる犯罪被害者もいる」として、1999年の池袋通り魔事件で長女を殺害された宮園誠也さん(77)の声を掲載している。
「法相が制度を都合のよいように解釈し、死刑執行の棚上げを続けるのは許せない」と憤る。今後、犯罪被害者で団結し、法相に執行の申し入れを行うなどの活動を検討しているという。
 死刑制度は欧州のほぼ全てが廃止する一方で、アメリカ、中国、インドなど死刑を存続している国も多い。日本で、在任中に死刑を執行しなかった法相は、2000年以降では次のようになっている。高村雅彦(自民)、杉浦正健(自民)、柳田稔(民主)、仙谷由人(民主)。

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死刑執行、当面は命じない…江田法相 - YOMIURI ONLINE(読売新聞)
【図解】世界の死刑被執行者数 - AFPBB News

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