肉牛の餌の稲わらから放射性セシウムが検出されている問題で、農林水産省は、放射性セシウムを含んだ稲わらを与えられ市場に出荷された牛は、2965頭に上り、検査を行った牛のうち、およそ8%の牛から国の暫定基準値を超える放射性セシウムが検出されたことを明らかにしました。
今回の問題を受けて、農林水産省では、放射性セシウムを含んだ稲わらがどの程度使われていたかを把握するため、都道府県を通じて農家などへの聞き取りを行い、28日、途中経過を発表しました。これまでのまとめによりますと、放射性セシウムを含んだ稲わらを与えていた畜産農家は、福島県や宮城県など16の道と県の170戸に上り、これらの農家から2965頭の肉牛が市場に出荷されたということです。また、これらの肉牛のうち、流通業者から検査の依頼があった393頭の肉について調べたところ、およそ8%に当たる31頭から国の暫定基準値を超える放射性セシウムが検出されたということです。これについて、記者会見した篠原農林水産副大臣は「思っていたより基準値を超えた牛は少ないという印象だが、今後さらに検査を強化し、放射性セシウムが基準値を超えた肉はすべて市場から回収したい」と述べ、流通業者などへの検査を促し、基準値を超えた牛肉が市場に出回らないよう努める考えを示しました。