九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)2、3号機の再稼働問題で、菅直人首相は28日、佐賀県の古川康知事と玄海町の岸本英雄町長に相次いで電話し、再稼働を巡る政府の対応の混乱を謝罪した。首相は当初、知事と町長に直接会って謝罪する意向を示していたが、「調整が難しい」と現地訪問を撤回し、電話で済ませた。
同県によると、首相は那覇市にいた古川知事の携帯電話に掛け、「私の指示が遅くなったことでご迷惑をおかけしたことをおわび申し上げたい」と謝罪。古川知事は「政府は原子力政策の統一見解を示していただきたい」と苦言を呈した。
続いて岸本町長にも連絡が入り、首相は「電話で申し訳ないがおわびをしたい」と述べた。町長は「エネルギー政策を示してもらわないと動けない」と求めた。
菅直人首相は28日夜、再稼働問題で岸本町長に謝罪したことについて首相官邸で記者団から聞かれ「電話しました」とだけ答えた。「なぜ今日だったのか」との質問には「よく分からないな」と述べた。
首相は25日の参院予算委員会で、8月9日に長崎市で開かれる原爆犠牲者追悼式典に出席する際に佐賀県に寄って謝罪することも「検討してみたい」と述べていた。【竹花周、原田哲郎、宮城征彦】
毎日新聞 2011年7月28日 23時04分(最終更新 7月29日 1時30分)