ゲストさんログイン

統合検索

連日更新!スポーツ総合サイト

【球宴ネット裏情報】斎藤佑 由規

●斎藤佑

ある意味、強心臓には違いない。日本ハム・斎藤佑(23)のことだ。

 オールスター2戦目の試合前。斎藤は2年目の先輩・増井浩俊(27)に声をかけた。

「キャッチボール一緒にやりましょう」

 斎藤は普段、武田勝とキャッチボールをすることが多いが、武田勝はすでに武田久とキャッチボールを始めていた。そのため増井に相手を頼んだのだろう。

 増井は「おお、やろう」と快諾したが、いざ、グラウンドに出ると驚きの光景が……。2戦目を振り返って増井が言う。

「キャッチボールをやろうと思って斎藤を探したら、すでに(ロッテの)唐川とやってましたからね。なんか、あんまり伝わってなかったんですかね(苦笑)。ビックリしました。ルーキーらしくはないけど、かわいい後輩ですよ。ロッカールームでテレビで見た『すべらない話』をしてくれるんですけど、話術がないのか、すべってるところがかわいくて(笑い)」

 斎藤はたまたま唐川に声を掛けられてキャッチボールを始めてしまったに違いない。悪気はなかったのだろうが、先輩にひと言、事情を説明すれば「ビックリ」させなくても済んだのではないか。

 当日(23日)の夜は斎藤、武田勝、増井の3人で「一緒に牛タンを食べた」(増井)というからわだかまりはなさそうだが、斎藤に驚いているのは増井に限らない。この日4打数3安打1本塁打でMVPを獲得した稲葉はこう話す。

「まあ、僕が初めてオールスターに選ばれたとき(96年、当時ヤクルト)は、ほとんどの選手が先輩だったから、とにかく気を使いましたよね。まあ、今はそういうことを言っても難しいのかもしれないけど。うーん、自分で気がつけばいいんだけどね。たとえば『この先輩方と話したい』という思いがあればまたね。もうちょっと周りも見えるんだろうけど」

 斎藤は3戦を通じて夢や希望を与えた選手に贈られる「スカイアクティブテクノロジー賞」を受賞。第1戦と第3戦合わせて2回3分の2を無失点に抑えたことが評価されたらしいが、改めて自分よりふさわしい選手がいたと思うかと聞くと、「いや、そういうわけじゃないですけど、僕でいいのかなと思いました。ルーキーなので申し訳ないなと」と答えた。

●由規(ヤクルト)

球宴までさぞ長い時間を過ごしたことだろう。

 全セの先発・由規(ヤクルト)が、6月9日以来の復帰登板を故郷で飾った。稲葉(日本ハム)にアーチを許すなど2回を投げて2失点だったが、最速は154キロをマーク。仙台で久しぶりに快速球がうなった。

「緊張しすぎて……」

 由規はこう苦笑いしながら、「今年は(地元が被災して)特別な年。いろんな気持ちがあった。投げられたことがよかった」と、登板を喜んだ。

 左脇腹の筋膜炎で登録抹消された由規にとって、人生で初めてといっていい大きなケガだった。リーグ首位を快走するチームに貢献できないもどかしさに加えて、「出場して地元を盛り上げられれば」と意気込んでいた球宴の出場も気にかかった。

 地元の知人や関係者から、「オールスターに出られるの? 大丈夫なの?」と気遣う連絡もたくさんもらった。体づくりなどをじっくり見つめ直す時間にもなったが、本当に球宴までに復帰できるのかと、モヤモヤした日々が続いていたという。

「由規は交流戦で仙台に行った際、震災で亡くなった高校の先輩の家族から、遺品の数珠を託されていた。球宴では『先輩のためにも』という思いも強かったですからね。しかも、故障中なのでなかなか外は出歩けないし、かといってずっと寮にいては息も詰まる。寮の近くにあるカラオケボックスでひとり、コブクロやゆずなどを歌って気晴らしすることもあったようです」

 とは、親しい関係者。

 小川監督はこの由規を後半戦のキーマンに指名している。球宴での復帰は首脳陣の配慮もあったはずだ。1カ月半のモヤモヤ生活を終えた由規、腕も折れよと投げるに違いない。

(日刊ゲンダイ2011年7月25日掲載)


コメント / 簡単コメント | みんなのコメントを見る(15)

関連ワード:
斎藤佑樹  ハム  由規  ヤクルト  オールスター  

スポーツトピックス

関連ニュース:斎藤佑樹

スポーツ写真ギャラリー

関連商品

Yahoo!ショッピング

野球アクセスランキング

おすすめ情報