出産といえば、女性の体から新しい生命がこの世界へと生まれてくる、母親にとっても、赤ちゃんにとっても人生で最もスピリチュアルな瞬間です。
前回、『痛い出産は偽りのイメージだった? 穏やかに出産できる「ヒプノバーシング」とは』では、ネガティビティーから解き放たれ、リラックスすれば、優しく穏やかな出産ができることをご紹介しました。
ヒプノバーシングでも驚きだったかもしれませんが、今度は、出産で最上のオーガズムを感じるといったら、どうでしょうか?
ええ、まさか!! 本当に?
今度こそ、そう感じるかもしれません。
でも、考えてみて下さい。人生で最もスピリチュアルな瞬間である出産時に女性が最上のオーガズムを感じたとしてもそんなに不思議ではありませんよね?
ヒプノバーシングで公式資料にも認定されている、ドキュメンタリーフィルム『Birth As We know It』(日本語版未発表)では、その秘密が明かされているので、ご紹介しましょう。
このフィルムには、実際オーガズムを感じながら出産している女性たちの姿があります。
まず、分娩中の彼女たちがとても美しいことが印象的です。
インタビューでしゃべる姿もチャーミングではありますが、ごくごく普通の欧米人の女性、と言ったところ。ところが、出産時の姿はそこらへんの女優さんより全然美しい。女神と形容するに相応しい美しさなのです!!
それを見るだけでも、このフィルムを見る価値があると言えそうですが、情報はそれだけではありません。
ディレクター兼プロデューサーのエレナ・トレッティは、まず良い出産をするためには自分自身のバーストラウマを解消することが不可欠であると言っています。バーストラウマがあると、そのネガティブな出産を自分も繰り返してしまうからです。
アメリカでは95%の出産が軽度、もしくは重度のトラウマティックな経験であるというリサーチもあります。日本も遠からず、といったところでしょう。まずは自分の過去を清算することが大切なようです。
次に、エレナによれば、オーガズムを感じながら出産している女性の動きは、スパイラル モーション、つまり螺旋状の動きです。
オーム貝等の巻貝、DNA、台風や竜巻、そして宇宙の銀河系。
螺旋の動きを私たちは大自然の動きとして様々なところで目にすることができますが、出産をする女性の動きも螺旋の動きであることは、大自然の神秘と、女性の出産の間に密接な繋がりがある証拠と言えるかもしれません。
フィルムの中で出産しているアンバーは、「もの凄いエネルギーが来たから、螺旋状に体を動かすことしかできなかったの。ひょっとしたら痛みになっていたかもしれないその強烈なセンセーションを、私は喜びに変えたのよ」と語っています。
なるがまま、なすがまま、大自然のパワーに身を任せることが大切なようです。
更に、オーガズムを感じるためには、ホルモンの分泌が欠かせないようです。
オーガズムを誘うのは、ラブホルモンである『オキシトシン』です。
オキシトシンはとても恥ずかしがりやのホルモンであるため、プライベートな空間で分泌されやすくなります。そして、性的な刺激をきっかけに分泌されます。
アンバーは、水中での分娩中に、キスをされ、その感覚が全身に行き渡り、体がソフトになり心地よさに包まれたと語っています。
出産時のオーガズムは、通常のオーガズムの10倍とも言われていますが、その理由は大量に放出されるオキシトシンにあります。
まさに最上のオーガズムの実現です!!
バーストラウマを解消し、スパイラル モーションで、感じるままに動き、プライベートな空間を確保して、オキシトシンの分泌を促したら、この最上のオーガズムを出産で実現することも、夢じゃないのかもしれませんね。
[ドキュメンタリーフィルム『Birth As We know It』]
(龍野恵里子)