じっとりと肌にまとわりつく湿気にギラつく太陽。韓国に初上陸した織田を迎えたのは予想以上の酷暑。「東京も暑いけどこっちもものすごいね」と思わず顔をゆがめた。
世界陸上の開催地、大邱広域市は同国南部の盆地にあり、“熱帯都市”として知られる。会場の大邱スタジアムのこの日の最高気温は34度。フィールド上は45度に達した。
相方の中井とともに特番と番組宣伝用の映像を撮影。100メートルのスタート地点からダッシュを繰り返したり、「人のチカラ、無限大!」と叫びながらトラックに大の字になるなど、ポロシャツに汗染みを作りながら熱演を繰り広げた。
休憩中は、暑さ対策で持参した携帯扇風機を使ったものの「ドライヤーONみたい」と苦笑いし、強い日差しに「目にくるね〜」と言いながらこまめに目薬をさした。「途中、暑さでボーッとなっちゃった」と気心の知れた中井にこぼすと、「天気に文句言っても仕方ないから、気持ちを変えないとね」と励まされた。
結局、この日は約10時間で70シーンを撮影。終了後は撮影スタッフらと食事に出かけ、マッコリで乾杯。翌日は市内のマラソンコースを視察し、「店の看板が日本よりカラフルでおもしろい」と興味津々だった。
織田と中井は1997年のアテネ大会から8大会連続でメーンキャスターを担当。世界陸上の魅力について「一発勝負の舞台に立つために、2年間も努力してきたアスリートのドラマに強くひかれるんです」と語った。
本番はスタジアムの特設スタジオから中継。「カッコつけても仕方ないし、ありのまま感じたことを伝えたいので積極的にトラックにも足を運びたい」と抱負。たった1日で、足の甲にできた日焼けのあとを見ながら「本番では選手同様、この強烈な暑さを乗り越えたい」と気合を入れた。(山内倫貴)
(紙面から)