「民労党よ、北の人権問題になぜ沈黙するのか」(上)

「開かれた北韓放送」河泰慶代表、民労党・李正姫代表に宛てた手紙

【河泰慶(ハ・テギョン)「開かれた北韓放送」代表】 北朝鮮の人権問題に対する国際的な関心を高める活動を繰り広げている「開かれた北韓放送」の河泰慶代表(44)が、北朝鮮人権法の制定に反対する民主労働党の李正姫(イ・ジョンヒ)代表に送った公開書簡を、本紙にも送ってきた。

 河泰慶代表はソウル大学で学生運動を行った経験があり、李正姫・民労党代表の1年先輩に当たる。大学卒業後は左派統一運動に加わったが、その際に脱北者を通じ北朝鮮の実態を知ったことで、北朝鮮人権運動に飛び込んだ。

 久しぶりに手紙を書くので、本当に恥ずかしいです。1992年ごろ、私が木浦刑務所の監獄で李代表の手紙を受け取り、返事を書いて以来ですね。今ごろこんな手紙を書くことになったきっかけは、民労党を代表する李正姫議員が、北朝鮮人権法の国会通過に断固として反対しているからです。北朝鮮人権法の国会通過は、北朝鮮住民の人権改善のために、私が全力で推進してきた議題です。

 先月、私は脱北者のキム・ヘスクさんと共に英国を訪問しました。キム・ヘスクさんは、北朝鮮の政治犯収容所で28年間服役した方です。英国議会で開催された北朝鮮人権聴聞会で議員たちと会い、対話しました。その中には、労働党所属の議員もいました。

 その議員が私に、韓国にも労働党と似た政党があるのかと尋ねたので、しばらく考えてから「民主労働党」と答えました。しばらく考えた理由は、韓国の民労党と英国の労働党は、名前は似ていますが、その性格には大きな差があるからでした。労働党という名前は共通ではありますが、両党は北朝鮮の人権問題をめぐり、完全に正反対の立場を取っています。英国の労働党は、北朝鮮の人権問題を含め、どの国であろうと人権問題については妥協しません。しかし韓国の民労党は、全く違います。米国や日本で可決した北朝鮮人権法に関してでさえも、断固反対しているではありませんか。

 こうした韓国の民労党の実態について、英国の労働党議員たちは、まだ前近代性を捨てきれていない政党だと指摘しましたよ。英国の議員たちは、韓国の諸政党と北朝鮮人権法について対話をしてみたいと言いました。そこで、韓国の主要政党の指導者たちに、北朝鮮人権法に関する手紙を書いたようです。李正姫代表にも、すぐに届くでしょう。

 私と李代表は、80年代には同志でしたが、今では互いに異なる道を歩んでいます。その最も重要な理由は、北朝鮮問題をめぐる認識に差があるからです。人権と民主主義を重んじる私の価値観は、当時も今も、全く変わりません。違いがあるとすれば、80年代には知り得なかった北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)政権の暴政と人権じゅうりんを、時がたつにつれ知るようになったことです。

河泰慶代表(写真左)、李正姫代表

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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