記事入力 : 2011/07/27 11:26:00
【コラム】事故起こした原発と共に暮らす福島の人々(上)
当時は「日本人は正確な情報を知らないから避難しないのだ。政府にだまされていることを知ったら、この道はすぐに避難する車で渋滞するだろう」と思った。海外では、福島原発事故を「チェルノブイリ事故と同レベル」と見ていた時期だった。だが、日本政府は「安全だ」という言葉ばかり繰り返していた。
帰国直後「日本の話を聞かせてほしい」と何人かに言われたので「地震と津波の被害は復旧可能だが、原発の危機は大きな混乱をもたらすかもしれない」と話した。記者が避難する時、原発から約50キロ離れた福島市の大気中の放射線量は毎時18マイクロシーベルトだった。3日間で通常の1年間分の許容量を超えた。このような状況に耐えられるのだろうか。避難民が大挙して東京に押し寄せる様子が頭に浮かんだ。
ところが、こうした予測は間違っていた。そんな大騒ぎは起こらなかった。日本政府がうまくやったからだろうか? そうでないことは、放射能汚染水の放出や汚染牛肉問題からも分かる。「韓国で同じことが起きたら?」と考える習慣が身についてしまい、今回も考えてみた。それと同時に、ソウルで起きた狂牛病(牛海綿状脳症〈BSE〉)騒動を思い起こした。どちらも、目に見えない恐怖という点では同じように思えたからだ。
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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