現在、iPadを苦しめる供給の問題が生じているため、iPad HDが今年の年末に間に合うとは思えない。今年、アップルはマーケットの需要を満たす台数のiPadを供給することに失敗しており、
先週になってやっと出荷日の予定が早まったことが判明した。
今年の年末に発売されるデバイスに搭載すると見られているものの、実際には来年の年明けに登場するレティーナのパーツを購入しようとするアップルのモチベーションの裏には、この供給の問題が見え隠れする。ただ単に供給を増やしているだけである。先週投稿された興味深い
クオラのスレッドには、アップルが競争をリードするために資金を投じる仕組みに関する素晴らしい情報が提供されていた。このスレッドは、「アップルが新しい部品の技術を他社よりも数ヶ月、または数年早く利用することが出来る」点、そして、「競合者はいずれ部品の生産技術でアップルに追いつくものの、そのころには、アップルは取り引きを行い、部品のプロバイダと交渉して割引価格で部品を調達することが出来るようになっている」点を基に展開されていた。
生産および導入のずっと前にレティーナディスプレイのパーツの供給網を構築する取り組みは、iPadの需要が証明されている現時点では、理にかなった戦略と言えるだろう。iPad HDをリリースする前に、iPadを求める消費者にiPadを提供する能力を大幅に高める動きは、アップルにとって得策である。現時点で十分な量のiPad 2を提供して、需要を満たす試みを行っている点を考慮すると、今年の暮れに様々なサイズのバージョンや3G設定のバージョンを含む、iPadのモデルを倍増する準備にアップルが取り掛かっている可能性は低い。
現時点ではっきりしていることは、9月に新しいiPhoneが発売される点のみである。本体が薄く、軽いデザインを採用し、新しいA5プロセッサによって稼働する可能性は高いはずだ。iPod Touchのリフレッショもまた可能性は100%に近い。このリフレッシュに3G無線や内部のアップグレードが含まれているかどうかは何とも言えない。
iPad HDも間違いなくいずれ発売される。iPadの進化において、スクリーンの解像度の高度化が次のステップとして考えられる。特にiPhone 4およびレティーナディスプレイのデビューを考慮すれば、この可能性は高いと言えるだる。新しいiPadが既存のiPad 2と共存するのか、または完全に取って代わる製品になるのかは判断が難しい。どちらかに賭けなければいけないなら、少なくともしばらくの間は2つのモデルが共存する選択肢に私は自信を持って賭ける。iPadファミリーは、iPhoneファミリー並みに拡大するかもしれないが、実際に店頭に並ぶのは来年の3月または4月になる可能性が高い。
この点は「iPhone ライト」の噂に関わってくる。アップルがさらに積極的な価格設定で完全に新しいiPhone製品を引っ提げてプリペイドの消費者の需要に応えることも考えられる。過去、アップルがマーケット全体を独占する欲求に身を任せたことが実際に何度かあり、iPodはその中で新しい部類に入る。3G対応型のiPod Touchの登場は、今後姿を現す「ライト」版iPhoneの前触れであり、現時点では実現の可能性はより高い気がする。
WWDCで発表されたiOS 5の新しい機能に着目すると、アップルの最後の一手が、通信業者にとらわれないデータオンリーのデバイスの製造である点は今まで以上に明白である。アップルは、すべての製品でiPadモデルを採用し、消費者がアップルのデバイスを好きな場所で購入し、世界中のあらゆる通信業者を通して、プリペイドまたはポストペイドで月ベースで利用することが出来るようにしたいのだ。これは同社が数年前から達成しようとしている目標である。
この目標が達成される時期は、iPod Touch 3G用のデータオンリーの契約をいかにまとめるか、4G LTEネットワークの成長と成熟、そして、十分な量の製品を提供し、消費者の需要を満たすアップルの力等、幾つかの要因によって決まる。アップルがこの難関を突破することが出来れば、その他のメーカーも便乗するだろう。ここ10年でモバイル業界に押し寄せた大革命を再び見逃したりはしないはずだ。
アップルの今後の数年間は間違いなく素晴らしいものとなり、プラットフォームに関わらず、すべてのモバイルデバイスのユーザーに影響を与えるだろう。
ソース: TUAW、
イメージライター紹介
マシュー・パンザリノは、TNWの西海岸在住のエディターである。20年間開発に携わったキャリアの持ち主であり、モバイルテクノロジーへのこだわりは強く、TNWに最新で最高のテクノロジーのニュースと見解をもたらしている。
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この記事は、
The Next Webに掲載された「
Beyond the iPhone 5: The future of Apple’s mobile devices」を翻訳した内容です。
もちろん確証がない以上、あくまで噂に過ぎないのですが、流石に業界のプロ編集者の記事だけあって噂自体の信憑性も多少は感じられる点が多い記事でした。今後のApple、どこまで大ヒットを続けていけるのか気になります。 ― SEO Japan