サムスン電子に税務調査、精鋭係官を投入

【キム・ヨンジン記者/白承宰(ペク・スンジェ)記者】 韓国国税庁は27日までに、サムスングループの中核企業、サムスン電子に対する税務調査に急きょ着手したことを明らかにした。

 同庁によると、ソウル地方国税庁は26日、ソウル市瑞草区のサムスン電子本社に大企業担当の「調査1局」の職員約30人を投入し、調査を開始した。今回の調査は、今月12日にイ・ヒョンドン国税庁長が全国調査局長会議で、大企業に対する税務検証を大幅に強化するよう指示したことを受け行われた初の税務調査となる。

 サムスン電子は、通常4年ごとに行われる定期的な調査にすぎないと説明している。しかし、サムスン電子の登記上の本社がある京畿道水原市を管轄する中部地方国税庁ではなく、大企業を担当するソウル地方国税庁調査1局の精鋭係官が投入された点からみて、特別税務調査並みの徹底した調査となる見通しだ。

 サムスン電子は1996年以降、税務調査を猶予されてきたが、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権末期の2007年に11年ぶりに調査を受けている。

 国税庁は今回の調査で、サムスン電子が海外の現地法人との取引を通じ、資金を海外に不正に持ち出していないかなどを集中的に調べる方針だ。また、系列企業との取引で、製品価格や数量の不正な操作で、脱税に及んだケースがなかったかどうかや、取引先との談合で製品価格を水増しし、裏金をつくったりしていないかなどについても調べる。

 業界では、李健煕(イ・ゴンヒ)サムスン電子会長が平昌冬季五輪の誘致に功績を上げたため、国税庁が定期税務調査を猶予するのではないかとの見方があった。国税庁は今年2月、サムスン電子の税務調査を行う予定だったが、同社による延期申請を受け入れ、5カ月にわたり先送りしてきた。

 サムスン電子関係者は「以前には優良納税者の税務調査を猶予する制度があったが、今年からは制度改正により、売上高5000億ウォン(約370億円)以上の企業に税務調査が義務付けられ、定期税務調査に例外がなくなったため、調査を受けたものだ」と説明。李会長が今年3月に「政府の経済政策は落第点だ」と発言したことや、政界における最近の「財閥たたき」ムードとは無関係だと強調した。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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