本籍は「甲子園」 現在180人以上
2004/03/13

 プロ野球阪神タイガースの本拠地・甲子園球場の所在地に本籍を移した人が、これまでに百八十人以上いることが西宮市の十二日までの調査で分かった。リーグ優勝した昨年は同市役所への問い合わせも急増。今年は同球場設立八十周年に当たり、球団側は「記念の年に喜ばしい話。試合のときにはぜひ本籍地に“戻って”きて」と話している。

 法務省によると、本籍は戸籍法で、地番などが定められた国内の土地であれば本人の意思で自由に決めることができる。他人が暮らす土地や路上でも構わない。

 現在、球場全体が位置する「西宮市甲子園町一番」に本籍を置いている人は約百四十人。さらに細かい表示の「同町一番地」には約四十人の届け出がある。ただし一番地は球場前のバス停に当たり、同市職員は「申請時に『同町一番』と間違えたのでは」と推測する。

 ちなみに三塁側スタンドの「一〇番地」には四人、一塁側グラウンドの「一三番地」には一人が籍を置いている。

 転籍は全国どこの自治体からでも申請できる。「結婚して新しい戸籍をつくる夫婦や、若い家族で転籍する人が多い」と同市市民課。毎年手続き方法を尋ねる電話が数件寄せられるが、昨年は二十件に急増した。

 実は、有名な場所に本籍を置くというのは意外と知られた話。例えば、東京都千代田区千代田一番の皇居には「約二千百人の本籍がある」(同区役所)。熱心なファンが多い中日ドラゴンズの元ホームグラウンド・ナゴヤ球場にも、三人が転籍しているという。

(安藤文暁)

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