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Firefox 4 トラブルシューティング:もしアップグレード後に問題が起こったら

投稿者 Kohei Yoshino

Firefox 4 は皆さんから好評をいただいていて、すでに一番多く利用されているバージョンになりました。一方で「アップグレードしたら調子が悪くなった」という声も一部のユーザから聞かれます。Firefox 4 を快適に使っていただくために、ここで主な問題の原因と解決策をまとめて解説します。

メモリを大量に消費してしまう

Firefox 4 では、Retained Layers や JägerMonkey JIT といった高速化技術の導入に伴って、Firefox 3.6 と比べてメモリ使用量が増える傾向にありますが、それでも他のブラウザと比べれば多くありません (例えば Techtree.com によるベンチマークテスト結果 参照)。にも関わらず、システムモニタを見るといつの間にか数 GB を消費してしまっている、といった事例があるようです。

この現象の原因と思われるのは、主に Web ページと連動する拡張機能のメモリリークです。具体的には AutoPager の名前が挙がっていますが、他にもあるかもしれません。該当すると思われる拡張機能を無効化し、作者から修正版が提供されるのをお待ちください。

なお、プラグイン互換性についての記事 で説明した通り、Firefox と別プロセスで実行されている Plugin Container の実体は Adobe Flash Player などのサードパーティ製プラグインです。プラグインは一般的に多くのリソースを必要とするため、この Plugin Container プロセスが大量にメモリを消費するのは正常な動作です。Plugin Container を無効化した場合 (非推奨)、Firefox のプロセス上でプラグインが実行されるため、メモリ使用量は格段に増えます。

動作が重い (遅い) / 応答なしになる (フリーズ・ハング) / 強制終了する (クラッシュ)

Firefox 4 へアップグレードしてから頻繁にこうした現象が起きる場合、お使いのパソコンに搭載されているグラフィックスドライバが原因となっている可能性があります。Firefox は、問題があるドライバを検出すると、ハードウェアアクセラレーションや WebGL 機能を自動的に無効化します。ただし、一部の環境では無効化されず、クラッシュの原因となっている可能性があります。場合によっては OS ごとクラッシュすることもあるようです。

問題の有無に関わらず、すべてのユーザに最新のグラフィックスドライバを使うことを推奨しますドライバの更新方法 が分からない場合はパソコンメーカーにお問い合わせください。詳しい対応バージョンなどは MozillaWiki (英語) に書かれています。

グラフィックスドライバ以外の原因としては、一部の拡張機能 (特に自分自身でインストールした覚えのないもの)、外部アプリケーション (ウイルス対策ソフトやファイアウォール)、不正なフォント、マルウェアなどが挙げられます。これらは Firefox のバージョンに関わらず様々な問題の原因として報告されていますので、別記事でまとめたいと思います。

トラックポイントスクロールができない (Windows)

ThinkPad の一部機種でトラックポイントによるスクロールができない現象が報告されています。Lenovo のサイト から最新のトラックポイントドライバを入手してください。

Flash コンテンツに日本語を入力できない (Mac)

具体的には、一部の動画共有サイトなどで日本語入力がアルファベット文字に置き換わってしまいます。プラグイン互換性についての記事 で説明した通り、これは Adobe Flash Player の問題で、修正済みの Flash Player 10.3 が公開されています。

終了時にタブを保存するか聞かれなくなった

Firefox 4 では、終了時にダイアログを表示する代わりに、自動的にタブを保存し、起動時にタブを復元するかどうか選択できるようになりました。Firefox を起動したら、スタートページか [履歴] メニューから [以前のセッションを復元] を選んでください。

戻るボタンが使えなくなることがある

拡張機能 McAfee SiteAdvisor のバグだという報告があります。SiteAdvisor の問題のあるバージョンは アドオンブロックリスト を通じて強制的に無効化していますので、現在は影響がなくなっているかと思います。

再読み込みボタンが見当たらない

Firefox 4 では、ユーザインタフェースが刷新され、ツールバーのボタンなどが整理されましたが、再読み込みボタンはこれまで通り存在します。また、場所を変えたければ簡単にカスタマイズできます。詳しくは、先日このブログに投稿した ユーザインタフェースに関する記事 をご覧ください。

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