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【社会】

培養骨髄で骨伸ばす 名古屋大病院が初の確立

2011年7月27日 02時05分

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 名古屋大病院(名古屋市昭和区)は26日、骨の疾患に伴う低身長症の人などに用いる従来の骨延長術に、独自の「培養骨髄細胞移植」を併用した新たな治療法を確立し、厚生労働省の評価会議で高度医療の対象技術として承認されたと発表した。これまでは臨床研究だったが、承認により今後は一般の診療として行えるようになった。将来的に、保険診療にもつながる道筋ができたという。

 骨延長術は、低身長症や左右の脚の長さが異なる脚長不等の患者などに用いる治療法。従来の方法は骨折した時に骨が自然に再生する力を利用して、骨を切ってその間隔を徐々に広げていくことで骨を引き伸ばすもの。10センチ伸ばすのに約1年ほどかかり、子どもの患者の場合、学校に通えないなど生活に大きな支障が出ていた。

 今回承認された技術は、患者の骨から骨髄細胞を取り出して培養し、骨を作る力を高めた上で、切った骨の隙間に注入する。従来の自然な治癒力に「援軍」を送り込むことで、骨の再生を加速させる。名大病院では2002年からこの細胞移植を併用した骨延長術を47例実施。従来の延長術の患者と比べ、治療期間が平均で約2カ月短縮されたという。

 「ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針」に沿った再生医療としては、全国で初めての承認。今後は国の「先進医療専門家会議」で保険診療との併用を認めるかどうか審議される。松尾清一院長は「骨延長術を必要とする子どもたちに福音だと思う。これから後に続く病院が増えれば、将来的に保険診療につながる可能性もある」と話した。

(中日新聞)

 

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