2011年5月29日 1時34分 更新:5月29日 2時43分
強い台風2号は29日午前0時現在、那覇市の北約140キロの海上を時速約45キロで北東に進んでいる。福岡管区気象台によると、中心気圧は950ヘクトパスカル、最大瞬間風速は60メートル。強い勢力を保って北上し、29日未明から朝に奄美地方、昼前から昼過ぎにかけては九州南部に最接近する見込み。鹿児島県と宮崎県では同日、局地的に1時間に40~70ミリの大雨となる恐れがあり、同気象台は土石流などへの警戒を呼びかけている。
九州南部は29日昼前には風速25メートル以上の暴風域に入る地域がある見込み。霧島・新燃岳周辺では同日午前3~9時に1時間雨量が40ミリに達する恐れがある。同日午後6時まで24時間の予想雨量は最大で▽鹿児島県300ミリ▽宮崎県250ミリ▽奄美地方200ミリ▽大分県、熊本県150ミリ▽福岡県100ミリ--など。
29日は海も大しけとなり、波の高さは最大で奄美地方11メートル、九州南部8メートルと予想される。
昨年10月に豪雨災害に見舞われた鹿児島県奄美大島北部の龍郷町は28日午後8時までに、土砂災害の危険があるとして、秋名、嘉渡、浦の3地区8世帯13人に避難勧告を出した。また、同町大勝では高さ約30メートル、幅約40メートルのがけ崩れが発生し、付近の峠道が通行止めになった。【福永方人、垂水友里香】
台風2号の北上を受け、宮崎県都城市は28日、霧島・新燃岳噴火の降灰と降雨により土石流発生の危険があるとして、災害対策本部を設置した。市は台風が最接近する29日午後にかけて警戒を強める。
宮崎地方気象台によると、都城市では28日午後3~6時、1時間最大40ミリの降雨が予想されたが、実際に観測したのは最大約8ミリで、市は避難準備情報の発令を見送った。29日は早朝から昼過ぎにかけて1時間最大40ミリを予想している。
対策本部は29日朝から会議を開き、避難準備情報の発令について協議する。【重春次男、西嶋正法】