「サマータイム」メリットもあるが…「仕事量増えた」
産経新聞 7月28日(木)20時33分配信
夏の節電対策で、関西に事業所を置く企業でも相次いで導入している「サマータイム」。就業時間を早めることで余暇を有効活用できるメリットが生まれている半面、社員の生活サイクルを乱し、仕事量がかえって増えるというデメリットも出てきているようだ。
森精機製作所では5月6日から、奈良、三重など3県の工場と東京支社でサマータイムを導入。就業時間を1時間半早め、勤務時間帯は午前7時〜午後4時にした。こまめに消灯し、機器のコンセントを抜くといった節電対策も合わせて実践し、全社の5〜7月(28日現在)の消費電力は前年同期比25%削減を達成した。
さらに、業務終了時に任意で開催していた社内の「英語研修」の出席率も向上。社員からは「空き時間が増えたので自己研(けん)鑽(さん)への意欲が高まった」との声もあり、「来年以降の継続も前向きに検討している」(広報)という。
サマータイムを当て込んだサービスにも波及効果がみられる。屋上ビアガーデンで平日の午後5時半〜7時、1人2900円で90分間飲み放題・食べ放題のプランを実施している大阪新阪急ホテル(大阪市北区)は「6月は十数人程度の利用だったが、7月は20日現在で約170人」(担当者)といい、さらなる利用者増を期待している。
ただ、サマータイムを取引先が導入していないケースも多く、勤務時間や休日を取引先に合わせる必要もある。6月からサマータイムを導入した住友金属工業の大阪本社で自動車メーカーを担当する営業部門の男性社員(43)は、自動車業界が一斉休業している木・金曜を休み、土・日曜に出勤している。「サマータイムで早く帰れると思ったが、土・日曜に子供と過ごす時間が減った」と残念そうだ。
今月からサマータイム導入で始業時間が45分早い午前8時となった食品メーカーでは、大阪支社に勤める男性社員(40)が「問屋の都合に合わせ、夕方以降まで働くのは以前と変わらない。睡眠時間が減り、仕事量がかえって増えた」と嘆き、通勤時間が1時間という東京本社の営業担当の男性(35)も「3歳の息子を預ける地元の保育園が開くのは午前7時半なので、交代でしていた送り迎えはほとんど妻に任せっきりになった」と戸惑いを隠せない。
サマータイムで勤務後の余暇が充実−というのは、まだ現実的ではない様子。来年以降もサマータイムが実施されるかは電力需給の状況にも影響されるとみられるが、本格的な普及に向けた課題は多い。(宇野貴文)
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ただ、サマータイムを取引先が導入していないケースも多く、勤務時間や休日を取引先に合わせる必要もある。6月からサマータイムを導入した住友金属工業の大阪本社で自動車メーカーを担当する営業部門の男性社員(43)は、自動車業界が一斉休業している木・金曜を休み、土・日曜に出勤している。「サマータイムで早く帰れると思ったが、土・日曜に子供と過ごす時間が減った」と残念そうだ。
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最終更新:7月28日(木)20時33分
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