中国高速鉄道事故 遺族に不満の声
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中国高速鉄道事故 遺族に不満の声

7月26日 4時28分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

中国で起きた高速鉄道の事故で中国政府は、列車の運転を再開したり、けがをした乗客への支援を発表したりして、万全の対応を強調していますが、犠牲者の遺族からは、政府から説明がないことや、行動の監視が始まっていることに不満の声が出ています。

この事故は、23日、中国東部の浙江省温州で、落雷が原因で停車していた高速鉄道の列車に後続の列車が追突し、脱線、転落したもので、死者の数は39人に上っています。この事故について国営の中国中央テレビは、25日夜のニュースで、事故が起きた路線で、列車の運転が再開されたことを伝えるとともに「正常」ということばを繰り返し、復旧をアピールしました。また、今回の事故でけがをした乗客の心のケアを行うため、およそ20人の専門家からなる対策チームを立ち上げたことも伝え、中国政府は、万全の対応を取っていると強調しています。その一方で、事故で犠牲になった乗客の遺族からは、政府から今後の対応や事故の原因などについて一切説明がないという不満の声が出ています。親族を事故で亡くした遺族の男性は、NHKの取材に対し、「先進的な技術のはずなのにどうして事故が起きたのか、説明してほしい。私たちはホテルで待たされているだけで、善後策をどのように取るのか説明してほしい」と話していました。遺族らは、家族ごとに別々のホテルに分けられて滞在しており、遺族が集まるために連絡を取りあって外出しようとすると、警察関係者とみられる人物に尾行されるということです。こうした動きについて遺族からは、政府が行動を監視して、集団で批判することを妨げようとしているとして、不満の声が出ています。