国際原子力機関(IAEA)の天野之弥事務局長は25日、東京電力福島第1原発(福島県)を訪れ、収束作業の現場を視察した。視察は事故後初めて。天野氏は「非常に計画的に事故対策に取り組んでいる」と作業が順調に進んでいるとの認識を示し、IAEAとしても協力していく考えを示した。
天野氏は、吉田昌郎・同原発所長らから作業状況の説明を受け、1~4号機や免震重要棟を回った。終了後に同県いわき市で取材に応じた天野氏は「これだけの方が熱意を持って取り組んでおり、見通しは明るいと感じた」と作業を評価。原子炉からの燃料取り出しなど今後の作業でIAEAのノウハウを提供する意向も伝えたという。
今後については「汚染水の処理が非常に大事。一方でサイト(原発施設)自体をどうするかなど中期的問題もあり、IAEAの知識・経験が役立つと思う」と話した。水処理施設のトラブルが相次いでいることには「ぶっつけ本番でやっていることを考えれば、効率的に稼働している」と述べた。【小畑英介】
毎日新聞 2011年7月25日 20時43分(最終更新 7月25日 20時55分)