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平成の「悪党」はこう作られた

全車両停止という最低限のフェールセーフ(Fail Safe)に失敗した中国高速鉄道

木走日記

木走正水(きばしりまさみず) プロフィール


今年の一月に新幹線のシステムがダウンして話題となりましたが、1時間15分の全面運休を招いています。
新幹線運休は明らかな人為ミス〜発生トランザクションの増加は十分に予見できた
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20110120
日本の誇る新幹線の運行管理システムでも大量のダイヤ変更において運用上の不具合が生じたわけですが、少なくとも日本では、事故が発生する前に全車両停止という安全策は守られています、不具合が最悪人命にも関わる場合も想定される交通システムの運用では、リスクをヘッジするには、フェールセーフ(Fail Safe)つまり失敗しても安全であるということと、フォールトトレランス(Fault Tolerance)つまり欠陥があってもそれを許容するということ、この2点のさじ加減が重要です。
鉄道の運行では、リスク発生時にフェールセーフ(Fail Safe)つまり失敗しても安全である最善の策は全車両を停止することです、すなわち動かなければ安全である、ということです。
この全車両停止を実現するには当然ながらリスク発生の情報を速やかにかかわる全システム、全車両が共有できなければなりません。
中国では各地の鉄道管理当局の管轄地域が複雑に入り組んでいて、今回のように運行ダイヤに乱れが生じたときに、情報が共有されていなかった可能性は否定できません。
繰り返しになりますが、“国産”とうたう中国新幹線の実態は、日本や欧州、カナダから導入した車両や地上設備、運行管理システムの寄せ集めで、系統だった運用の可否が懸念されていたわけです。
中国の高速鉄道建設は急ピッチで進められてきましたが、安全面で対策がおろそかであったことが結果的に裏付けられたのだと思います。

現状では非常時の全車両停止すら覚束ないことが判明したのです。
全車両停止という最低限のフェールセーフ(Fail Safe)に失敗したわけです。
まず中国当局には事故原因の解明とその徹底的な開示が求められます。
そのうえで特に運行管理システムの徹底的な見直しが必要でしょう。
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