青年層の賃金水準、悪化の背景

【金宗浩(キム・ジョンホ)記者】 最近、雇用市場全体は堅調に推移している一方、青年層の「就職氷河期」は続いている。就職できたとしても、待遇はほとんど改善されていない。物価上昇率を考慮すると、青年層の実質賃金はむしろ減少しているためだ。

 青年層の賃金水準が相対的に低下している要因は、製造業に比べ低賃金の飲食店、卸小売業、社会福祉、教育などの業種に従事する青年層の比率が高いためだ。今年3月現在で、低賃金業種の労働者に占める青年層の割合は46%に達する。これは労働者全体で低賃金業種に従事する人の割合(35%)に比べ高い。

 現代経済研究院は低賃金産業のうち、特に教育、社会福祉に関する分野で青年層の賃金水準が悪化していると分析した。製造業に就職した青年層の賃金を100とした場合、教育に関する業種で働く青年層の賃金指数は、2007年の84から今年は79へと低下した。

 職種別で若年層がパートタイムとして最も多く働く販売職の賃金指数も、07年の81から今年は73に低下した。自営業の不振やリストラなどの影響で、パートタイム労働者が増えた結果、業種全体の賃金水準が悪化したためだ。

 勤労者全体のうち、賃金が全体の中間値の3分の2に満たない人の割合は、07年の25.1%から今年は18%に低下した。これに対し、青年層の同割合は18.1%から17.9%へとわずかに低下しただけだった。

非正社員との格差拡大

 青年層の中でも、正社員と非正社員の賃金格差が徐々に拡大しつつある。今年の青年層正社員の賃金は07年に比べ15.8%増加したが、青年層非正社員の賃金はむしろ0.3%減少した。その結果、両者の賃金格差は07年に比べ91.6%も増加した。

 青年層では、学歴による賃金格差も拡大している。高卒者の賃金を100とした場合、大卒者の賃金は07年には141だったが、今年は150にまで格差が開いた。

 現代経済研究院のキム・ミンジョン研究委員は「青年の雇用機会を増やすだけでなく、適正な賃金を受け取ることのできる良質な雇用を創出するための政策が求められる」と指摘した。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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