【テクノフロンティア】照明用高出力LEDを液冷するシステムをキーナスデザインが披露、光源部分の冷却部を薄く、小さく
キーナスデザインは、LED照明器具に向けた液冷システムを東京ビッグサイトで開催された「TECHNO-FRONTIER 2011」(2011年7月20〜22日)でデモンストレーションした。開発した液冷システムは5種類あり、米Xicato社製の投入電力42.3Wの白色LEDモジュールの冷却、同社の36.3W品の冷却、シチズン電子製の同13W品を1個あるいは4個連ねたモジュールの冷却、米Cree社製の同3.9W品を3個連ねたモジュールの冷却をそれぞれ披露した。
いずれも空冷式の冷却システムに比べて、放熱部品を薄型化できることが特徴。「液冷にすることで、放熱部をLED照明の光照射部とは別の部分に設けられる。天井灯など、放熱箇所に制約がある場所のLED照明を埋め込む場合には液冷は効果的」(キーナスデザインの説明員)とする。同社によれば、液冷システム付きLED照明について、引き合いが来ているという。まだ一般照明での液冷システム付きLED照明の納入実績はないが、植物工場向けでは実績があるとする。冷却システムは、用途や搭載する白色LEDによってカスタム設計で対応する。
披露した液冷システムは、いずれも白色LEDの形状に合わせて設計したもの。Xicato社製白色LEDモジュールの42.3W品(3000lm)を液冷するシステムは、ヒートシンクの厚さは5mmと薄い。ヒートシンクの材質はステンレス鋼。フルパワーで同モジュールを点灯しても、ヒートシンク表面の温度は38℃程度に保たれるという。液冷に当たっては、ヒートシンクの内部に液体を流す。ヒートシンクから出た液体は樹脂パイプを通じて冷却装置に送られ、冷却ファンを当てた同装置内のラジエータを通って冷やされた後に再びヒートシンクに送られる。Xicato社製の36.3W品(2000lm、デモでは28〜29Wを投入)に向けた液冷システムは、ヒートシンクの厚さが9mm。36.3W品は直径45mmの丸型なので、ヒートシンクの形状もそれに合わせた。
シチズン電子製の13W品を1個用いる場合の液冷システムでは、白色LEDの外形とほぼ同じ25mm×20mm×厚さ8mmのステンレス鋼製ヒートシンクを白色LEDに貼り付け、ヒートシンク内部に液体を流す。フルパワー点灯時、ヒートシンク表面の温度は40℃程度とする。13W品を4個用いる冷却システムでは、温まった液体を、離れた場所にある冷却装置にてラジエータと冷却ファンで冷やす。Cree社製の白色LEDを3個連ねたモジュールの液冷システムでは、冷却装置内にてペルチェ素子を使って液体を冷やしていた。