2011年07月23日

白河の名店と宇都宮の家系と

/麺処新白河@福島県白河市にて白河ラーメン/双石バス停/手打ち中華とら食堂@福島県白河市にて手打中華そば、手打ち冷やし中華/火風鼎(かふうてい)@福島県白河市にてラーメン/南湖/栃木家@栃木県宇都宮市にてラーメン/

 東北本線で宇都宮から新白河まで、在来線だと途中の黒磯で必ず乗り換えることになって、改札外の立ち食い蕎麦屋に立ち寄るのも一興。

 新白河駅の改札を出ると正面に立ち食い蕎麦屋があって、「白河ラーメン」の幟が立っているのでスルーできません。

 麺処新白河@福島県白河市、図らずも朝ラーが食べられて嬉しいです。
 メニューはかけそば三百円から始まってお蕎麦とうどんが殆どですが、カレーライス六百五十円、ラーメン、冷し中華と揃っています。
 店内はカウンターのみで七席と三席、一枚板を曲げてあるスタイリッシュな椅子は立ち食い蕎麦屋には似つかわしくなく、ましてはテーブルの間接照明はバーの雰囲気。
 卓上のカスターセットはこじゃれた中華料理店風、駅同様、色々な歴史を感じさせます。


 程なくして出来上がってきた白河ラーメン五百八十円、白河ラーメンってこんなに具だくさんでしたっけ。
 スープは鶏ガラベースの優しい醤油味でとても美味しく、駅そばで出されるラーメンのレベルとは思えません。
 中太の縮れ麺は紛れもなく白河ラーメンの証、この麺がスープを良く吸い上げてとても美味しいのです。
 トッピングはチャーシュー、なると、ほうれん草、メンマ、半身ゆで玉子、板海苔、そして白ネギと都内だったら八百円は取られる多さです。

 他にお客さんが来なかったので店員さんと少しお喋りをしたかったのですが、何かせわしなく色々と準備をされていたので声を掛けられず。
 ご馳走様でした、また白河に来ることがあれば立ち寄りたいと思います。

 四十分待つつもりだったバスはラーメンを食べていたので三十分ほど待てば済むようになって。
 それでも何か見所が近くにあるわけではなく、ベンチもないので、ブラブラと歩き回っていました。

 ちなみに石川行きの土曜日のバスは6:50、9:40、12:35、16:50、17:45の五便だけ、平日はもう少し便がありますけどね。
 定刻に来たバスに乗ったのは私だけで、途中、人生の先輩が二人ほど乗ってきましたが、そんな状態でもフルサイズで運行しています。

 二十五分乗って降りたバス停は双石(くらべいし)、初めの十分くらいは辺りに飲食店もありましたが、それ以降は民家のみ。
 このバス停で降りてもお店は目に入ってきません、一本入った場所にあるからです。
 一応、帰りの便を確認すると7:50、13:40、19:10の三便だけ、お店は開店前からもの凄く混んでいるとのことなので、ちょうど良いかも知れません。

 バスの後を追いかけて少し歩くと、お店への看板が見えてきます。

 ああ、ついに来たんだなとしばし立ち尽くす私。
 クルマでサクッと来るラーメン好き仲間が沢山いるので、私もクルマで来ようとずっと思っていたけど、結局、公共機関と徒歩だけで来てしまいました。
 看板通りに右に折れて歩いて行くと、さらに右に折れる看板があるので、入っていくと手打ち中華とら食堂@福島県白河市、ついに目の前にその姿を現しました。
 福島原発の放射能汚染の風評被害で、本来なら溢れんばかりにお客さんでごった返しているはずですが。
 それでも先客ゼロと言うことは無く、駐車場(どこまでが駐車場なんだろう)には数台のクルマが停まっています。
 店先に待ち客用のベンチが並んでいて、一人だけお客さんが座って待っています。
 待ち客用の名前を書く紙でもあるかと思ったら無くて、ベンチに座って待つことにしました。
 開店まで一時間近くあるからiPhoneでもと触っているとチラチラと圏外になって、ああ、ここはそんなところなんだなぁと思っていると、どちらかということもなく先に座っていたお客さんとお喋りをしてしまい。
 埼玉から来たとか、東北にはよくドライブに来るとか、ご主人と一緒にあちこち食べ歩いているとか。

 神奈川から来たとか、群馬に仕事できたのでここまで足を伸ばしてみたとか、あちこちラーメンだけを食べ歩いているとか。
 そんな話しをしていたら一時間があっという間に過ぎてしまい、「お待ちのお客さん、どうぞ」と定刻より少し前に店員さんに案内されました。
 「本来ならこの待合室でしばらく待たされるんだろうなぁ」と思う小部屋を通り過ぎて店内へ、あちこちの写真でみて感じていたよりずっと広い店内です。
 店内中央に三人ずつ区切られて並んだ六席カウンターが向かい合わせに用意されていて、その端っこに案内されました。
 周りには四人掛けのテーブルが四卓、東側に用意された小上がりは四卓、昼間は窓から差し込む自然光だけで充分な明るさです。

 メニューは中華そばとつけ麺、正油味が基本ですが塩味も用意されていて、夏季限定で冷し中華もありました。
 店員さんにオーダーしてしばらく待ちます、卓上に刻み玉ねぎが用意されているんですね。
 本来なら一気に満席になって、なお店ですが、今日はカウンター、テーブルは満席でしたが小上がりはお客さんがいませんでした。
 五分もしないうちに手打中華そば六百六十円、目を見開くような綺麗な麺相です。
 真っ白いレンゲでスープを飲んでみると気を失うほど旨い、なんでも何種類もの地鶏の丸鶏スープとのことですが、どうやったらこんなスープの味をイメージできるのか、そしてそのイメージを実現できるのか、全く見当が付きません。

 凄いなぁ、こんなスープのラーメンを好きな時に好きなだけ食べられる白河の人が羨ましいです。
 そのままスープを飲み干してしまいそうな手を押さえつけてレンゲを置き、エコ箸に持ち替えて麺を手繰ってみると、スープと一体化した柔らかくしなやかで食べやすい平打ち縮れ麺。
 これが白河ラーメンの麺なのか、これが。
 スープと麺だけでも十分旨いと思うのに、レアがかかったチャーシューも絶品、ほうれん草にメンマ、板海苔、とわずかに薬味ネギ、あっという間に食べてしまいました。
 いやぁ、旨かった、ご馳走様です。

 食べ終わってスープを飲んでいると、「はい、どうぞ」と手打ち冷やし中華九百円(告知ポスターには値段が書かれていません)が運ばれてきました。

 二品同時にオーダーしたのですが、ちょうど食べ終わった頃に運ばれてくるとは、たまたまなのか、計算ずくなのか。
 冷し中華専用の角皿、この手打ち麺を冷たく食べれられるだけで幸せなのに、フルーツパフェみたいな盛り付けはなんなのでしょうか。
 八つ切りトマトが三つ、細切りハム、細切りチャーシュー、細切りキュウリ、錦糸玉子、刻み海苔、中央には紅生姜、全体に白胡麻、調味料は和辛子とマヨネーズ。
 色々なラーメン屋さんが嗜好を凝らした冷し中華を販売していますが、この冷し中華は正統派の盛り付けのさらに上をいきます。
 どこから食べていいか分からないので手前の細切りチャーシューを食べてみたらスンゴク美味しい、続けてハム、そして麺を冷し醤油ダレに良く馴染ませてから食べました。

 あとは一心不乱、一瞬たりとも箸を止めることなく食べきってしまってご馳走様でした。

 お会計を済ませ、ショップカードをもらい、お店を出てiPhoneで次の店までのルートを調べると一時間八分、それじゃあ歩いてみますか。
 マップ機能に沿って歩いたんですけど、未舗装路を当たり前に案内するんですね。
 小川のせせらぎを聴きながら曇り空の下を歩くのは私だけかも知れません、そもそもとら食堂にクルマ以外で行く人は稀ですから。

 途中から国道に合流しますが、クルマ通りも少なく、特に歩道やガードレールもなく、のんびりしたものです。
 知らない土地を一時間近く歩くのは初めてではありませんが、目的地も見えず、途中のランドマークも分からず(そもそもランドマーク自体がない)、不安になりながらも「お店に着けなければそれはそれで日記のネタ」と割り切って。

 雑木林の先に南湖(みなみこ)が見えてきて、南湖の南側をしばらく歩いて行くと、左側に何軒かの飲食店が連なっていて、その中の一軒に火風鼎(かふうてい)@福島県白河市が見えてきます。
 数年前から都内に支店展開してきた白河ラーメンのお店で、その都内のお店にはまだ一軒も行かれていないのですが、せっかくの福島遠征、立ち寄ってみようかと。
 ちょうどお昼時で店内は混み合っており、店内待ち数人です。
 地方のお店では先ず間違いなく後会計ですが、念のために店内を見渡すと券売機は見当たりませんでした。

 メニューを見てみるとしょうゆ味、味噌味、塩味と揃っていて、トッピングはチャーシュー、モヤシ、コーン、ワンタンなどごくありふれた品揃えです。
 少し待って店内奥の窓に面したカウンター席を案内されました。
 このお店はカウンター席しか用意されておらず、厨房を五、六、五席のカウンター席で囲み、入口と反対側の壁向きに七席分のカウンターが用意されています。
 店員さんがすぐにオーダーを取りに来て、五分もしないうちにラーメン五百五十円が運ばれてきました。

 クッキリした豚骨や鶏ガラダシとハッキリした醤油ダレは幅広い年齢層に受け入れやすい分かりやすい味わい、とっても美味しいです。
 白河ラーメンを象徴する細い平打ち縮れ麺は柔らかすぎず固すぎず、とても食べやすいです。
 赤身のかかったチャーシューは確かにウリにするほど美味しい、でもまあ、チャーシューメンにしたらチャーシューの味が支配的になって麺とスープの美味しさが陰ってしまいそうですけど。
 メンマに白ネギ、板海苔もなるともないシンプルはラーメン、地元の人気も分かりますし都内に進出したお店の人気も伺えます。
 ご馳走様でした、機会があったら都内のお店に行ってみることにしよっと。

 お店を出て来た道を戻り、バス停で時刻表を確かめてから南湖(みなみこ)を鑑賞しました。
 世の中には沢山の湖があって、そのどれもが個性的でどれもが美しいのですが、この南湖もとても綺麗です。
 私の地元にも綺麗な湖があって、ラーメンの食べ歩きをする時には近くの湖にも立ち寄ることにしたいです。

 南湖公園バス停からJRバスで新白河駅まで、先の福島バスは便が少なすぎて地元の人さえも利用しにくそうでしたが、こちらは席が半分くらい埋まるほど。
 無事に新白河駅に着いてみると出発してちょうど四時間が過ぎていました。

 お腹も一杯、胸も一杯で、途中でどこかに立ち寄る気力が出ず、明日は仕事ということもあって無理をしないでホテルに戻りました。
 元気なようでいて思わぬところで疲労が溜まっていることが多いので、時間の限り食べ歩く、はもうやめにしました。
 誰も入っていない湯船で身体を伸ばし、ベッドにゴロンとまどろむこと数時間。
 ここ宇都宮で一杯も食べていないことを思い出し、アイフォーンで検索して歩いて行ってみることにしました。

 ホテルから徒歩十五分ほどで栃木家@栃木県宇都宮市、埼玉県さいたま市岩槻区(旧岩槻市)にある石川家出身のお店で、石川家は吉村家で修行された方のお店とのこと。
 ラーメン屋さんは営業時間に使うスープを営業時間外に仕込んでいるのですが、家系(いえけい)のラーメン屋さんは営業時間中もスープを仕込んでいるので、お店を閉めてスープを仕込む時間を営業しているために長時間営業が特徴なんですね。
 逆に言うと、十一時から十四時、十七時から二十一時くらいの普通のラーメン屋の営業時間だったら、それは家系とは違うんじゃないかと(違わない店もありますけど)。
 券売機が無くて口頭オーダー方式、お冷やが置かれた席に座ってカウンター台に貼られたメニューを見ながらオーダーします。

 家系のことはよく分かっていないのですが、メニューにいわゆる家系の「こってり」と中華そばの「あっさり」の二種類が揃っているのが石川家の特徴とのことで、つけ麺もあります。
 ラーメンを頼むと「太麺と細麺が選べます」と聞かれるので、まあ、好みの問題ではありますが、太麺でお願いしました。
 続けて「お好みはありますか」と聞かれるので、麺の茹で時間、タレの量、脂の量を「固め、濃いめ、少なめ」などとお願いすればいいわけです。
 初めてのお店なので何とも分からないから、私は殆どのお店で「普通でお願いします」と答えることが多いですけど。

 店内は厨房を囲むカウンターが入り口側に十席、左側に四席が二つ、四人掛けのテーブルが四卓とかなり広め、お休みの日の昼間などは満席になって活気に溢れることでしょう。
 先ずは生ビール四百五十円で今夜は宇都宮で一人お疲れ様会、付き出しにキュウリの漬け物が出されました。
 ビールを飲みながらメニューをつらつらと眺めていると、「お待たせしました」とラーメン七百円、スタンダードが七百円は家系にしては高いんじゃないかなぁ。
 スープはマイルドではなく薄めの豚骨ダシと殆ど感じられない鶏油、タレの醤油も弱め、味付けを真ん中に寄せて無難にまとめると、誰にでも受け入れられるけどヒキは弱くなってしまいますね。

 どっちを目指すかはお店の営業方針ですが、家系のラーメンは一回食べただけでああだこうだ判断できないのも事実、「私が食べた土曜日の夜九時頃は」にとどめたいです。
 麺は今まで食べた家系の中で一番太くて一番多かった、ひょとして自家製麺かと思うほどぷりぷりの食感、旨いですねえ。
 トロトロの柔らかいチャーシューはスープから完全に浮いていますが、これが石川家なのか、それとも栃木家なのか、美味しければどっちでもいいか。
 大きな板海苔が三枚、ガサッと冷凍ほうれん草は手前ではなく奥側に盛り付けて欲しかったなぁあ。
 ラーメンを食べていると焼餃子三百円が出来上がってきました。

 ビールと餃子で一杯やりながら、餃子を食べ終わったところでラーメンを食べる順番にしたかったけど、仕方ありません。
 皮は柔らかめで肉汁たっぷり、ラーメン屋とは思えないほど美味しい餃子なのは、ここが宇都宮だからでしょうか。
 ご馳走様でした、ああ、美味しかった。

 宇都宮の周りには有名店が何軒かあるし、新宿からは湘南ライナーで一本だし、また来ることになるでしょう。

posted by ふらわ at 00:00| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
そ、その冷やし中華はかなり美味しそうですね。
Posted by エリザベスイチゴジュリア at 2011年07月25日 19:05
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