発達論的アプローチによる発達支援
発達論的アプローチによる発達支援
「発達の最近接領域」
ヴィゴツキーは子どもの知的発達の水準を2つに分けた。一つは子どもが単独で問題解決できる発達の水準と、もうひとつが単独では解決できないが、何らかの支援・援助や共同によって解決できる発達の水準である。この水準は次の時点で子どもにとって「現在の発達水準」になるという意味で「発達の最近接領域」と呼んだ。
支援や援助は、子どもが少しでも自分自身で判断し、自分自身の意図で活動ができるかを支援・指導する側が考えることである。この観点がない手助けは効果がないばかりではなく、子どもの主体的で意図的な行動を妨害することにもなる。子ども自身の力で次のステップに登っていくためのヒントを与えるような支援が望まれる。
「足場づくり」
大人が子どもの発達に合わせ、子どもの問題解決を援助していくための方策。「足場作り」の機能として、課題への参加、行動の範囲を狭め課題を簡略化する、注意対象の持続、フラストレーションのコントロールなどがあげられる。
「足場作り→足場はずし」はじめは大人が見本を見せて楽しませる→次に子どもと一緒にやって楽しませる→最後に子どもだけでやらせる。足場を徐々に築き、徐々にはずしていくことは子どもが主体的に人や社会・文化と関われるようになることを支援していくということである。
具体的な支援を考えるときに、この2点を意識して取り組みたいと考えています。
「最近接領域」はスモールステップでの課題提示などで、指導の方法としても現在定着していると思いますが、少人数のグループなどの活用も視野に入れて取り組んでいくことも有効であると思います。
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