自分ではしょうもない話だと思ってたんですケド、結構証券系のシステムに関心のある方が意外と(?)おられるようなので、もう少し詳しく書いてみます(w
あ、ちなみにボクは単なる株マニアのクソ学生なので、正確さに欠ける部分があるかと思うので、変なところがあったらご指摘ください。
さて、いわゆる金融系システムの中でも、証券系システムというのは非常に特殊なシステムで、電算化されてるところは非常に古くからあるシステムなんですが、電算化されてないところは未だにペーパーベースでやってたりする変なシステムで、一般にはわかりにくいところがたくさんあります。
証券取引所のトランザクション処理は、現在では立会い取引がほぼなくなってしまったので、大手の証券会社などは証券取引所のメインフレームとCPU接続しています。ところが、中小の証券会社や、新規に参入したネット証券などはコスト的な要因からCPU接続が困難であるので、いわゆる証券パッケージというものを使用しています。ここで言うパッケージとは、ソフトのことではなくサービスのパッケージです。ちなみに、銀行系でも例えば日銀の国債決済システム(RTGS)なども、ASPサービスみたいなのがあります(ボクが知ってるのはさくら情報システムくらいだけど)
証券系システムには、大ざっぱに大別して情報系(フロントオフィスと呼ぶ場合が多い)と業務系があり、それに加えてTSEネットやJASDAQネット、保管振替機構ネットなどへの接続に使用する対外接続系が存在していて、後者二つをまとめてバックオフィスと呼んでいます。バックオフィスの電算化はかなり昔から行われていますが、フロントオフィスは証券自由化を機に電算化が始まったと言う状況で、金のない証券業全般としては、銀行よりもパッケージを使用する例が多い、といえます。
大和総合研究所のSONARやACRO-Sはバックオフィスパッケージのことで、これに対してWebBrokerなどはフロントオフィスパッケージのことです、ネット取引対応になってる(店舗を持った)中小の証券会社はほとんど大和や野村のパッケージを使っています。といっても、大和のシェアが高いですが。
逆に、ネット専業の証券ではフロント系は独自開発して(ここがミソですから)、バックオフィスはパッケージを使う場合が多いですね。SONARのシェアが高いのは、古くからあるシステムで比較的低価格なのと、大和自身が使っているという安心感があるのかもしれません。
で、問題になるのはSONARの安定性です。SONARは1970年代から拡張が続けられている古臭いメインフレームをベースとしたシステムで、95年に大和がネットトレードシステムを開始したときも、SONARにオープン系(Solaris)を中心に開発したWeBBrokerを追加して開始したという経緯があります。個人投資家の間では、SONARの安定性は最近悪いというかスパゲティー化したコードでぐちゃぐちゃという噂があって、実際に今年の4月に大規模な事故が発生しています。まぁ小さい事故ならちょくちょくありますが。99年10月に証券自由化が開始されて、SONARを利用する証券会社が増えたという理由もあると思いますが、実際のところ30年も機能追加と改編を続けてきたシステムですから、そろそろ限界があるのではないかとボクは思っています。
まぁ実際にSONARに関しては、利用している証券会社からかなり苦情・不満もあるようで、ネット証券でもSONARを使用していても部分的に自主開発のシステムに移行しつつあるところもあります。ですから、SONARを使っているといっても、ネット証券は全面的に依存しているわけではないです。
で、ACRO-Sの話ですが、こっちはSONARの問題点を改善するために、大和が新たに開発したバックオフィスシステムで、主にオープン系で構成されていると言われています。2000年の春にサービスインしたのですが、開発を急いだために大規模な事故が頻発して、これを利用していたHIS証券は行政処分を喰らったために、現在安定稼動しているにも関わらずACRO-Sを使っているのはHS証券だけです。
ちょっと長くなったので、続きは別の機会に・・・。