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先週の本放送後の反応は、娘。ファン・ヅカファン双方とも、ネット上で見る限り、あまり芳しいものではなかったように記憶しています。
かくいう自分もあまりよい印象を持てませんでした。
放送時間が少なすぎたからかな、そう感じました。
リピートを見てよくない印象の原因がわかりました。
演出だったのです。
こまかくカットを割ったが中心の演出スタイルが題材に不向きだったということです。まあ、ダンスシーンは長回しで全身を撮る、なんて初歩の初歩の話なのですが。
映画やテレビといった映像メディアでは映っていないものは見ることができません。また、エンターテインメントでは演出家は観客が見たいものを見せるカット割を第一義にしなくてはなりません。
ダンスシーンで観客が見たいものはダンスです。
ですからフルショットやロングショット中心がベストなのです。
そこにあまりにも無自覚にカット割をおこなったディレクターは、アステア & ロジャースのミュージカルを見たこともないのかも。そう思うと少し悲しい気がしました。
銀行のCMで男の人がぴょんぴょん跳ねるのを見ました。
あれって「ザッツ・エンタテインメント」にも入っているMGMミュージカルが元ネタなんです。しかもカメラワークもおんなじ。
ひさしぶりにアバド/ウィーン・フィルのウェーベルンを聞いてみました。やっぱりウェーベルンは疲れます。トータル・セリエリズムになると聞いただけで理解するのは無理だとあきらめられますが、十二音音楽ならある程度耳だけでも構造がわかるんじゃないか、などと身の程しらずな期待を持ってしまうからなのでしょうか。
それはさておき、ウィーン・フィルの音色って、ひょっとするとロマン派なんかよりも余程いわゆる現代音楽向きなんじゃないかって思っています。といっても、ほとんどウィーン・フィルの現代音楽演奏なんて聞いたこともない(どころか、やっているのかも知らない)ですし、理論的裏付けもなにもないんですが。まあ、耳の快楽がある分聞いていて楽しい、ってだけのことなのかもしれません。