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入善 アワビ養殖数倍増へ

施設改修し、販路拡大目指す

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販売される「深層水あわび」(16日、入善町下飯野の海洋深層水パークで)

 海洋深層水を使ったアワビ養殖事業に取り組む入善漁協と入善町は今月から、養殖数を約7万個へと倍増させる。生育不良を減らすための施設改修が3月に終了し、水槽全40基が使えるようになったためで、これを機に販路拡大を目指す。

  深層水で育てた「深層水あわび」の養殖は2002年、商業目的としては全国で初めてスタート。町などは、不純物が少ない深層水をアワビの養殖に活用すれば、天然物より肉厚で甘味が強くなるとしている。

  町によると、当初の養殖数は約2〜3万個だったが、03年には生育不良に陥るなどした。05年8月から水槽の一部を休止して調査したところ、水槽の水の滞留が原因と判明。町は08、09の両年度、約4000万円を投じ、エアーポンプを設置するなどして水槽全40基を改良した。

  また、深層水は約5度と冷たく、養殖に最適な17度程度に温める重油代は大きな負担となっており、ピーク時には年間約700万円(03年度)に達した。このため、養殖施設の隣接地で09年に操業を始めた包装米の製造・販売会社「ウーケ」(藤尾益造社長)が空調に使って温めた深層水を再利用し、保温用に電気ヒーターを本格導入。一連の改良で、重油代は従来の3割以下に減らせる見込みだ。

  国の緊急雇用対策事業も活用し、町は09年7月に専属の販売員1人を雇い、宿泊施設や飲食店への営業を積極的に展開。取引先は、現在では県内中心に30前後に上る。

  町農水商工課の竹島秀浩課長は「地道な取り組みで出荷量は少しずつ増えている。さらにPRに努めたい」とし、年間出荷個数を現在の3万弱から5万5000にまで増やしたいとしている。

2010年6月17日  読売新聞)
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