あがががががが
>1、設立の趣旨
「ポルノ被害と性暴力を考える会(発足 2009年5月1日)」の目的は、“ポルノグラフィ”の制作・流通等を通じて、あるいはその影響を受けて生じているさまざまな人権侵害や性暴力の問題について議論・調査・検討し、この問題を社会に広く訴えていくことを目的とする」と規約で謳っている。
ポルノを中核に据えた意味は、女性・子どもを性的に客体化して性暴力を容認するような社会のあり方そのものを問うことにある。強姦はもとよりDVやセクハラ、痴漢行為等が広く性暴力として社会的認知を受けつつあるが、それらは社会の性意識・性行動のあり方全般に渡って連続するものとして認識し、今まであまり真正面からは取り上げてこなかったポルノの社会的影響をも視野に入れて、性暴力について考えようとするものである。
2、設立のきっかけと運動主体
一昨年、理論社から非常に暴力的なアダルトビデオの制作者として有名な監督を執筆者にして、青少年向けに性について語らせる著作が出版されたことに、婦人保護施設の現場からの抗議の声が上がった。この事件をきっかけとして、これは一出版社の無思慮な出版行為の問題ではなく、社会全般に蔓延している女性や子どもの性への暴力を容認ないし無視している社会のあり方こそを広く問いかけていくべき問題との認識に至った。
また、中心になった婦人保護施設にはDVや風俗産業などに巻き込まれ生活が破綻した女性たちが人生再建、生活再建を求めて集まってきている。現場の職員はこれらの女性たちが直面する現実をつぶさにみているため、被害を生みださないために社会への啓発活動の必要性を強く実感してきた。
3、今までの活動状況
- 理論社に対する抗議の署名運動(2008年9月~12月)……婦人保護施設の有志が、全国から1万筆の署名を集めようと目標を立て実現させた。署名には、女性福祉の関係者はもとより、児童養護施設、知的障害者施設からの協力が多かった。
- シンポジウム「ポルノ被害と女性・子ども人権」(2009年)の開催……2009年10月にシンポジウムを企画・実施し(立教大学にて)、200名以上の参加者を得た。
4、2010年度の主な活動
- シンポジウムの報告書『DV被害とポルノ被害』を発行。東京ウィメンズプラザの2009年度後期助成金によって、1000冊を発行
- シンポの成果をさらに支援者や当事者からの声などを加えて充実させて、現在、『証言・現代の性暴力とポルノ被害 ~研究と福祉の現場から』(東京社会福祉協議会発行)を準備中。11月28日に発行予定。
- シンポジウム「ポルノ被害と女性・子どもの人権」第2弾「ポルノ被害と子どもの貧困」の準備中。11月28日に立教大学で開催予定。
ポルノ被害と性暴力を考える会
代表世話人:横田千代子(婦人保護施設いずみ寮長)
森田成也(駒澤大学非常勤講師)
宮本節子(フリーソーシャルワーカー)
湯澤直美(立教大学教授)