中国浙江省温州市で23日、高速鉄道の列車が別の高速列車に追突して双方の一部車両が脱線、追突した列車の4両が高架橋から転落した事故で24日、43人が死亡、210人が負傷したと、国営通信、新華社が伝えた。死者のうち2人は外国人としているが、上海の日本総領事館によると、死者、負傷者の中に日本人はいなかった。
事故を起こしたのは、浙江省杭州から福建省福州に向かっていた列車と、北京から福州に向かっていた列車。事故があった2本の列車はいずれも当初、最高時速380キロの最新型とは異なるとみられていたが、追突した車両は、車体に書かれた形式番号から、日本の川崎重工の技術などを基に開発された最新のCRH2型とみられる。
また、追突した後続の列車は北京−上海線を経由して、福州に向かう途中だったことも判明。北京−上海線でも同様の大事故が起きるリスクがあることが分かった。
同時に、鉄道ミステリー作家、西村京太郎も仰天(!?)の事実が分かった。なんと、追突した列車は時刻表の上では、衝突された列車よりも前に温州を通過するはずだった。いつの間にか、どこかで、ひょんなことから追い抜いていたのだ。
順序が入れ替わった原因は調査中だが、各地の鉄道管理当局の管轄地域が複雑に入り組んでいることが影響した可能性もある。この追い抜きが事故原因のひとつとなったとも考えられるが、新華社によると、鉄道省報道官は24日、「落雷による設備故障」が原因だったとの見解を表明。落雷に伴い、列車衝突回避に欠かせない制御系統に重大な問題が生じた可能性を指摘した。
また、中国鉄道省当局は24日、事故を受け、上海鉄道局の局長ら幹部3人の更迭を決めた。
(紙面から)