「オールスター第2戦、全パ4‐3全セ」(23日、QVC)
阪神・榎田大樹投手(24)が第1戦に続く連投となった三回の1イニングを無失点に抑えた。球宴で阪神の新人投手の連投は西村一孔、村山実、江夏豊に次いで44年ぶり4人目。猛虎の歴代エースと同じ道をたどった新人左腕にさらなる成長の予感が漂う。第2戦は全パが勝ち、MVPは2打席連続アーチの西武・中村剛也内野手(27)が選ばれた。
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ひょうひょうと歴史に名を刻んだ。三回、リリーフカーにちょこんと座り、前日に続く連投マウンドに上がったのは榎田。阪神新人では55年の西村、59年の村山、67年の江夏しか経験していない球宴での連投だ。
移動日なしの2日連続となれば、新人では90年の野茂(近鉄)以来となる夢舞台でのフル回転。“快挙”を自ら祝福するように、好投で花を添えた。
「いつも(公式戦で)連投してるんで、気にならないです。オールスターなんで、たくさん投げた方がいい」
先発した館山を継いだ2番手。1番から始まる打順も、稲葉に本塁打を許した第1戦と同じだ。
先頭の中島を、わずか1球で右飛に仕留めると、続く井口は完全に打ち取った当たりが右前へ落ちるポテンヒット。代走・本多を一塁に置きながら、T‐岡田は2球で右飛に斬った。最後は捕手・阿部との共同作業で本多の二盗を阻止し、1回1安打無失点。栄えある連投に、結果と内容で応えてみせた。
第1戦は13球オール直球勝負を挑んだ。この日も全7球のうち変化球はスライダー1球だけ。阿部には「全部(の球種を)投げます」と申し出ていたが、前日のリベンジの思いが、直球主体の投球となって表れた。
「真っすぐだけでも抑えられそうな感じが分かった。基本はストレートを、しっかりコースにコントロールすること」
球宴前の7月17日・横浜戦で打ち込まれ、翌18日の広島戦ではベンチ入りを外れた。体力的に厳しさを増す夏場を迎え、ルーキーに試練が訪れようとしている。登板試合数31はチームトップ。球宴での連投は過酷にも思えるが、実りの2試合になったという。
「昨日と今日で(合計投球数は)20球。いい調整ではないけれど、実戦が開かなくて、よかった。しっかり後半戦に入っていきたい」
リーグの新人ホールド記録を更新中の背番号13が、腕をぶす。前日は名古屋での試合後にチャーター便で空路、羽田空港へ移動。ホテル到着は深夜1時過ぎだった。加えて、1時間起きに目が覚めるほど寝付きは最悪。それでもマウンドに立てば関係なかった。頼もしいエース候補が、村山、江夏の歩んだ大投手への道を真っすぐに進む。
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