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　「オールスター第３戦、全パ５‐０全セ」（２４日、Ｋ宮城）

　“師匠”の粋な計らいに少し照れながら、マウンドに立った。全パでは田中（楽天）、ダルビッシュ（日本ハム）の豪華リレーが実現。球界を代表する右腕の共演は、被災地のファンを魅了した。

　満員で埋め尽くされたＫスタ宮城にＦＵＮＫＹ　ＭＯＮＫＥＹ　ＢＡＢＹＳの「あとひとつ」が流れる。楽天でおなじみの入場曲。マウンドはマー君だ。「すごい声援をいただいてうれしかったです」。直球、変化球を織り交ぜながら初回を無失点に抑えた。

　直前で予定が変わった。２２日の時点で、秋山監督から先発を打診されたのはダルビッシュ。だが、ダルビッシュはその座をマー君に譲った。「そっちの方が仙台のファンが喜んでくれると、秋山監督にお願いしました。アイツの後は気持ち悪かったけど、Ｋスタですし、僕の場所ではない」。そのダルビッシュは二回に３連打でピンチを迎えたが、最速１５５キロの直球を駆使し０点で切り抜けた。

　「先にヘボい球を見せておいて、すごい球が見られたほうがいいでしょ」と苦笑いの田中。ベンチでも隣同士。一塁、三塁コーチとしても一緒にグラウンドに登場するなど、いまや球界一の“名コンビ”だ。

　２１日夜はダルビッシュ、川崎らと名古屋市内で食事した。「久しぶりでした。楽しかったですよ」とマー君。球宴期間中にダルビッシュから新カーブを教わり、この日の投球で試した。

　極上の投球が、ファンを喜ばせることにつながる。「復興に向けて、着実にステップを踏めているから、こういうオールスターが開かれた。自分たちができることは、見に来てくれる方を、盛り上げること」。日本の最前線をいく２人が、東北を熱くした。