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【大相撲】

日馬富士 全身全霊の賜杯 白鵬の8連覇砕く

2011年7月24日 紙面から

タイを手に笑顔の日馬富士=名古屋市西区の伊勢ケ浜部屋宿舎で

写真

◇名古屋場所(14日目)

(23日・愛知県体育館)

 全勝の大関日馬富士(27)=伊勢ケ浜=が1敗の横綱白鵬(26)=宮城野=を寄り切り、14戦全勝で12場所ぶり2度目の優勝を決めた。敗れた白鵬は単独史上最多の8場所連続優勝を逃した。日馬富士は千秋楽の関脇稀勢の里戦に初の全勝優勝を懸ける。大関昇進を目指していた関脇琴奨菊(27)=佐渡ケ嶽=は若の里のすくい投げに屈して4敗目を喫し、今場所後の大関昇進は消えた。大関対決は琴欧洲が把瑠都をすくい投げで下して9勝目。把瑠都は10勝4敗。関脇稀勢の里、鶴竜がそろって9勝目を挙げた。

 喜びは胸に秘めた。座布団が舞う中で、日馬富士は2年ぶり2度目の優勝を、静かにかみしめていた。けがに泣き、兄弟子の引退に涙した。「悔しい思いをした。いろんな経験をした。全身全霊でぶつかった。自分が喜ぶより、みなさんに喜んでもらいたい…」。自分のためではなく、応援してくれたすべての人にささげる優勝に、今度は目を潤ませて感謝の言葉を口にした。

 10月10日に披露宴を開く新しい家族が支えになった。昨年末には父親にもなった。八百長問題で引退に追い込まれ、部屋のコーチをしている兄弟子の元幕内安壮富士は、場所中もぶつかり稽古で胸を出してくれた。「安壮富士関の分まで頑張ろうと思った」。そして、9日に来日した母ミャグマルスレンさんがずっとそばにいてくれた。

 母とは名古屋市北区の宿舎近くに後援者が用意してくれたアパートで生活をともにした。アパートから稽古場に通って、稽古が終わるとすぐアパートに戻る生活。食事はすべて母の手料理。その母は、少しでも体重を落とさないようにと、「暑いから栄養のあるノーゴトイという野菜スープをよく作ってあげた。きょうは何を食べたい? 夜は何を食べたいの? と聞いてホーショール(モンゴル風のお焼き)なんかを作ってあげました」と息子を支え続けた。

 優勝が決まった瞬間はテレビ観戦だったが「感動しました。母としてファンの方に心から感謝します。あしたは相撲を見に行きたいです」と、息子の晴れ姿をこの目に焼き付けに行くつもりだ。

 大関昇進の口上に入れた「全身全霊」という言葉を、この日は2度口にした。横綱昇進ではどう変わるのか。白鵬の8連覇を阻止し秋場所は2度目の綱とりに挑む。「与えてくれたチャンスを一生懸命つかめるように頑張ります」。まずは千秋楽、全勝優勝で締めにいく。 (岸本隆)

 

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