2011年7月22日 07時59分 更新
秋田大学研究チーム、秋田県、玉川温泉の温泉水からレアアースの回収に成功
秋田大学研究チーム、秋田県、玉川温泉の温泉水からレアアースの回収に成功
2011年7月21日、秋田大学工学資源学部の柴山敦教授を中心とする研究チームが、秋田県、玉川温泉の温泉水からレアアースの回収に成功したと発表した。昨年、同温泉にレアアースが沈殿していることを発見し、同チームは温泉水からの回収実験を続けていた。
image from Cam Switzer
発表によると、玉川温泉は年間750kgのレアアースを含み、そこから約520kgが回収可能であるとしている。回収は、温泉水の中和処理、沈殿処理を行い500倍に濃縮することで可能となった。玉川温泉に含まれるレアアースは14種類。ネオジムやジスプロシウムなど、ハイテク製品の製造には欠かせない原材料である。このレアアースは、ハイブリット自動車モーターの超強力磁石の原材料などに使用されている。
同教授は、玉川温泉から採取できるレアアースでは商業ベースに乗せるのは困難としながらも、将来の海底資源や他の温泉などからの採取に応用できる技術であるとしている。レアアースは世界の生産量の90%を中国が占めており、日中関係に左右される不安定な供給と、価格高騰が問題となっている。
今後は、他の温泉の調査も進め、高純度化技術の確立を目指すとしている。