デジタル放送に完全移行　ＮＨＫに約１万１５００件問い合わせ

　地上波テレビが２４日、東日本大震災の被害が大きかった東北３県を除く４４都道府県でデジタル放送に完全移行した。１９５３年に始まったアナログ放送は同日正午で終了、６０年近い歴史に終止符を打った。テレビは大きな変革の時を迎えた。

　総務省によると、地デジ化の相談を受けているコールセンターへの電話件数は２４日午前だけで約３万９０００件に上り、７月の１日平均件数（約２万４０００件）を上回った。アナログが停止した正午以降も多くの電話が寄せられたが「大きな混乱はない」（幹部）という。

　ＮＨＫには、正午から午後２時までに約１万１５００件の問い合わせがあった。

　放送関係者には地デジの準備が間に合わず、テレビを見ることができない「地デジ難民」が１０万世帯程度残っているとの見方も出ている。

　総務省は２５日以降も地デジコールセンター、電話（０５７０）０７０１０１で２４時間相談を受け付ける。

　ＮＨＫ、民放各局のアナログ放送は同日正午、青い背景に地デジ相談窓口の電話番号を表示した「お知らせ画面」に一斉に切り替わった。

　川崎市にある地デジコールセンターでは、アナログ放送の終了直後に電話が一段と増えた。総務省の担当者は「実際に放送が終了するまで、地デジ移行を知らなかったという相談もあった」と話していた。

　岩手、宮城、福島の３県は移行時期を来年３月末まで延期した。

　地デジ化は、１９９８年に政府が計画を発表、２００１年の改正電波法成立により１１年までのアナログ放送終了が決定。地デジ放送は０３年に東京、名古屋、大阪の三大都市圏で始まり、０６年には全都道府県に広がった。

（2011年7月24日17時44分  スポーツ報知）

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