横審・鶴田委員長、横綱昇進は「来場所優勝しても微妙」…名古屋場所１４日目

　◆大相撲名古屋場所１４日目　○日馬富士（寄り切り）白鵬●（２３日・愛知県体育館）　大関・日馬富士が横綱・白鵬の８連覇を阻止し、１２場所ぶり２度目の優勝を決めた。１敗で追う横綱・白鵬との大一番を寄り切りで制し、１４連勝。千秋楽を待たずに０９年夏以来の賜杯を手中にした。

　１２場所ぶりの優勝を決めた日馬富士は、次の秋場所（９月１１日初日・両国国技館）で連続Ｖなら横綱昇進の可能性が出てくる。しかし、横綱審議委員会の鶴田卓彦委員長（８３）は「これまでの場所の成績に安定感を感じない。来場所優勝しても微妙なところ。議論になると思う」と慎重な姿勢を示した。

　横綱昇進の内規は大関で２場所連続優勝、またはそれに準じる成績と内容。日馬富士は秋も優勝なら資格は満たすことになる。「資格はあるが前の場所が１０勝というのが引っかかる」と鶴田委員長は繰り返した。協会から横審に諮問し、成績、品格などを議論して横審がふさわしいと判断し協会の理事会に推薦しなければ昇進は実現しない。それだけに鶴田委員長の発言は重みがある。「今場所のようなスキのない相撲を来場所も取ってほしい」と委員長。消極的なムードをはね返す成績と内容が秋も求められる。