ライフ【東日本大震災】揺れる「相馬野馬追」 規模縮小か従来通りか+(1/2ページ)(2011.5.24 23:01

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【東日本大震災】
揺れる「相馬野馬追」 規模縮小か従来通りか

2011.5.24 23:01 (1/2ページ)

 例年7月下旬に開催される福島県相馬地方の国重要無形民俗文化財「相馬野馬追(のまおい)」の開催をめぐって地元が揺れている。大震災による甚大な被害に加え、東京電力福島第1原発事故の影響もあり、行事の大幅な規模縮小を求める声と、従来通りの開催を訴える意見に二分。千年以上紡がれてきた歴史と伝統は混迷を色濃くしている。(是永桂一)

 南相馬市の中ノ郷騎馬会は22日の総会で、今年の野馬追に、よろいかぶと姿の大規模な「騎馬武者」を出さない方針を固めた。同騎馬会は昨年、相馬地域5郷の騎馬会で最大の205騎の騎馬武者を出した。

 会では市などから補助される約1500万円を「震災復興に使うべきだ」と予算化せず、一部の神事のみを実施することを決めた。旗を奪い合う勇壮な見せ場「神旗争奪戦」には参加できない見通しだ。

 神旗争奪戦の会場は「緊急時避難準備区域」となり、祭りを担う住民の多数が避難している。武者姿の行列に加わるのは数騎の見込みで、地元の高校生らが担ぐ神社のみこしも出せない状況だ。

 相馬太田神社の佐藤左内宮司は「祭どころではない。第一、立ち入り制限のある地域の催しに誰が足を運び、安全を保障するのか。神社の神事だけは行うが、もっと先にやるべきことがある」と話す。

 野馬追は、相馬中村神社(相馬市)などでの騎馬武者らの「出陣」で幕を開け、2日目に雲雀(ひばり)ケ原祭場地(南相馬市原町区)で神旗争奪戦を開催。相馬小高神社(同市小高区)の馬を素手で捕らえる「野馬懸」で締めくくられる。今年の開催日程は6月11日までに開く執行委員会で正式に決定される。

 相馬小高神社は立ち入り禁止の「警戒区域内」にあり、原町区も大部分が緊急時避難準備地域。他に計画的避難区域も抱えるなど、制限のない地区を加えると、同市は「4分割されている」(桜井勝延・南相馬市長)状態だ。

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