地上波テレビが24日、東北3県を除きデジタル放送に完全移行した。テレビの黄金期を支え、移行をPRする「地デジ化応援隊」にも参加したコメディアンの萩本欽一(70)は、この転換点をどう受け止めたのか。
■萩本欽一の談話
強引に「テレビを買い替えろ」っていう話だから、ご不満のある方もいると思います。実は僕もそう。なかなか買い替えない1人でした。
負担を強いることに、誰も謝らないのも気になっていたんですね。そんなとき、地デジ化応援隊の話が来たから、じゃあ僕が代表して「ごめんね」って謝ろうと決めて、引き受けたんです。
ただ、その後いろいろと話を聞いて「なるほど」と思ったの。これからは見るだけのテレビから、使うテレビになる。参加できたり、情報を発信できたり、もっと大きな仕事をしてくれるようになるんだなって。それが分かって、僕もようやく買い替えました。
だからこそ思うわけ。「ごめんね」の次には「必ずもっと楽しめる、気持ちの良いテレビをつくります」という言葉がないといけない。デジタルになって良かったと思ってもらえる番組をつくらないと、失礼だなって。
テレビ番組で大切なのは発明と発見です。放送開始から60年近く。最近はそれも頭打ちになってきました。デジタルに変わったのを機に、新しい形のテレビ番組をつくることで、みんなに「良かった」と思ってもらいたい。そのために僕も覚悟を持って、もう一度テレビに挑戦していきます。(共同)