2011年5月27日 21時20分 更新:5月27日 22時18分
農林水産省は27日、野菜や果物が土壌から放射性物質をどの程度吸収(移行)するかの目安となる係数(移行係数)を発表した。福島県などの自治体や農家に作付けする際の参考にしてもらう。
国内外の文献を調査し、半減期30年の放射性セシウム137について、野菜類17品目、果実類4品目それぞれの係数を算出、平均値、最大値などを公表した。土壌の濃度に係数をかければ各品目の濃度が分かるようにした。データが少なく非公表の値もある。
土壌1キロ当たり1万ベクレルでトマトを作付けする場合、トマトの実のセシウム137は平均値で計算すると7ベクレル、最大値では17ベクレルとなり、食品衛生法の暫定規制値(1キロ当たり500ベクレル)を下回る。
一方、イモ類の移行係数は比較的高く、サツマイモの最大値は0.36で1万ベクレルの土壌で3600ベクレルとなる。
政府はコメ以外は作付け制限をしない方針で、移行係数は作付け制限の基準値ではない。農水省はデータが少ないことなどから「あくまで参考値」としている。【佐藤浩】