2011年5月27日 18時5分 更新:5月27日 21時53分
東京電力福島第1原発事故を受けて福島県は27日、約202万人の全県民を対象に被ばく線量調査を実施することを決めた。3月11日以降の行動から線量を予測し、線量が高かった県民を対象に数十年単位の追跡健康調査を行う。県民の不安に応え健康管理をすると共に、データを放射線医療に役立てる。
県災害対策本部で開かれた有識者の検討委員会で決めた。福島県立医大や国の関係機関と協力。聞き取りや郵送による問診表で県民の行動を確認し、地域・時期ごとの線量に照合して個人の線量を推定する。数値や健康への評価は、本人に伝える。6月末にも線量の高い地域で数百~数千人規模で始める。
線量が高い県民に対しては血液や尿、内部被ばくなどの詳細検査を継続的に実施する方針。検討委員会座長の山下俊一・長崎大大学院医歯薬学総合研究科教授は「調査は健康管理プログラムの一環。記憶が薄れないうちに3月11日以降の行動を確認しておいてほしい」と呼び掛けた。【種市房子】