G8:「アラブの春」支持 首脳会議で付帯宣言採択へ

2011年5月27日 10時54分 更新:5月27日 12時37分

G8サミットで会議に臨む各国首脳=2011年5月26日、AP
G8サミットで会議に臨む各国首脳=2011年5月26日、AP

 【ドービル(フランス北西部)福原直樹、会川晴之】主要8カ国首脳会議(G8サミット)は27日午後(日本時間同日夜)、首脳宣言を採択して閉幕する。毎日新聞が入手した宣言案によると、中東・北アフリカ諸国での民主化改革「アラブの春」を支持し、変革の先駆けとなったチュニジア、エジプトの改革プロセスを支援する「ドービル・パートナーシップ」の設立を表明。一方、民主化運動を弾圧するリビアやシリアを厳しく非難する。

 2日目の27日は、アフリカ開発も討議し、首脳宣言とは別に「アラブの春」「価値と責任の共有」と題する付帯宣言を採択する。「ドービル・パートナーシップ」に関しては、すでに米国が20億ドル(約1620億円)、世銀が60億ドル(約4860億円)の支援を決定したのに加え、26日には周辺諸国も対象に英国が1億7500万ユーロ(約200億円)、国際通貨基金(IMF)幹部が350億ドル(約2兆8350億円)の融資を提案した。

 中東・北アフリカ問題を討議した26日夜のワーキングディナーでは、菅直人首相が中東民主化支援について、東南アジア諸国への支援実績をもとに人づくりや雇用創出・産業育成を中心に支援すると訴えた。

 ワーキングディナーでは、(1)北大西洋条約機構(NATO)軍主導の空爆に徹底抗戦するリビアのカダフィ政権に対し市民への武力行使の即時停止を要求(2)シリアのアサド政権にも民主化要求デモへの「暴力」の即時停止を求める--ことで一致。首脳宣言に盛り込む。オバマ米大統領がイスラエル・パレスチナ和平交渉再開を呼びかけた中東和平案も討議。第3次中東戦争(67年)直前の境界線を前提とする提案に各国首脳は支持を表明した。

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