中国東部の浙江省で、高速鉄道の列車に後続の列車が追突し一部の車両が転落した事故で、中国国内では列車の衝突を未然に防ぐための自動制御システムが、何らかの理由で正常に作動しなかったことが原因の1つではないかという見方が出ており、運輸当局が調べを続けています。
この事故は、中国東部の浙江省の温州で、日本時間の23日午後10時前、高速鉄道の列車に後続の列車が追突し、追突した列車の4両の車両が高架橋からおよそ20メートル下に転落したものです。国営新華社通信は、この事故でこれまでに死者の数は35人、けが人の数は210人に上ったと伝えています。また死者の中には、2人の外国人が含まれているとしています。この事故の原因ついて、中国の運輸当局が列車の運行記録を回収するなどして調べを始めましたが、中国国内の一部のメディアは、列車の衝突を未然に防ぐための自動制御システムが何らかの理由で正常に作動しなかったことが原因の1つではないかという専門家の見方を伝えています。事故が起きたときの状況について、鉄道当局者は「前を走っていた列車が落雷の影響で停車していたところに追突した」と話しているほか、現場付近では事故のおよそ1時間前にも別の高速鉄道の列車が落雷で送電が途絶え停車するトラブルもあったということです。このため運輸当局は、現場付近の悪天候による落雷などが原因で列車への送電や制御装置に問題が生じた可能性があるとみて調べを続けています。今回の事故について上海の日本総領事館は「これまでのところ、死亡が確認された35人の中に日本人は含まれていない。日本人が事故に巻き込まれたという情報は無いが、引き続き確認している」と話しています。