東日本大震災

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福島第1原発:相馬野馬追の主役、浮かぶ肋骨 馬主避難で

落ち込んだ背中と腰が環境の過酷さを物語る被災馬=福島県相馬市で2011年4月10日午後3時55分、津村豊和撮影
落ち込んだ背中と腰が環境の過酷さを物語る被災馬=福島県相馬市で2011年4月10日午後3時55分、津村豊和撮影

 福島第1原発の事故で、国の重要無形民俗文化財「相馬野馬追(そうまのまおい)」に出走する馬の一部が福島県南相馬市に取り残されたままになっている。馬主が避難したためで、同県相馬市のNPO法人「馬とあゆむSOMA」事務局の川嶋麻紗美さん(31)らは、屋内退避区域内の被災馬を保護し、北海道などの牧場に預ける活動を続けている。

 今月4日、走ることができないオスを南相馬市内の公道で保護した。前後の左脚には地震の揺れで負ったとみられる捻挫のような傷。腹には肋骨(ろっこつ)が浮いており、エサがないため体重が20~30キロ減ったとみられる。

 避難指示区域内には数十頭の馬が残されているとみられる。川嶋さんは「被災馬たちは余震の中で懸命に命をつないでいる。それでも避難指示でどうにもできない現状がもどかしい」と嘆く。【津村豊和】

毎日新聞 2011年4月11日 1時08分(最終更新 4月11日 1時30分)

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