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中検準1級・HSK10級からの再出発

中国語という山は、さらに高く・高く・果てしない。1合目に届いた自信さえ持てないまま、今日も霧の中を彷徨っています(-_-;)


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2011-06-06 22:24:54| カテゴリなし |コメント(51)トラックバック(0)

今回のポイント
1.発音に始まり発音に終わる中国語教育の功罪(遅れた中国語教育)
=中検1級は、マニア向け(正当な評価が期待できない)
2.資格試験至上主義の中国語学習の愚かさ
3.速読と聴力の相関関係
4.母語力≧中国語力
5.中国語の他に専門を持つことの意味
6.精読と速読
7.書くことの重要性
時代は、違うとはいえ倉石先生の名前は、学習者としは記憶していなければなりません。


投稿者:師匠 - 2011-06-12 21:35:04
聴力が苦手な人は、実は読むのも苦手です。
仮に、聴力の資料を全部見ることができたとしても聴くのと同じスピードでは読めないと思います。
更に言えば、その前段階で躓いている人が多い。
そもそも、内容の理解力に問題があることが多いのです。そういう場合は、日本語でやっても同じ結果になります。理解しているつもりの「つもり」が怖いのです。
次回は、聴力と速読の相関関係を実際に中国語ニュースを題材に確認します。
また、日→中の通訳訓練を基本的なものから、高レベルのものまで通してやります。
自分の位置を知ることは、上達する上で重要です。この実践を通して、自分がどこまで理解できているかを確認し、今後の勉強の参考になればと思います。

PS:音読は、検定試験には有効ですが、初級から中級向けの方法です。
上級へ上がろうと思うと音読はむしろ弊害になります。機会費用(本来、別の訓練で得られたはずの知識が得られない)が高く非効率です。
投稿者:師匠 - 2011-06-16 19:53:27
はじめまして。中国語を学習しておりまして、参考になるのでたびたび読ませて頂いております。

師匠さん、もしくは師匠さんの説明を聞いたと思われる方への希望です。もしよろしけば、音読が弊害になる詳しいメカニズムを紹介していただけないでしょうか?また音読が弊害になる事例研究や統計的研究論文なども紹介していただけると嬉しいです。

私は中国語がちょうどその中~上級で、一定量の音読(主に難読字の多い小説類で漢字の声調を覚えるためかつ個々の発音練習のため)をしていますので、メカニズムがわかれば音読の弊害を避けることができ助かります。

英語の場合、インターネットでは音読は上級者しかやってはいけないと主張をしている人が結構います。おそらく初級者だと、意味を感じずに空読みしてしまったり、速読黙読時にも音声化してしまうが、上級者ならその心配がないということなんでしょう。
投稿者:akira - 2011-06-17 21:04:58
akiraさん、はじめまして。ご質問ありがとうございます。
先ず、「音読が弊害になる事例研究や統計的研究論文など」は私の知る限りありません。
ただ、中検準1やHSK10級、あるいはガイド試験をパスしたレベルでも私の見る限り、上級者とみなせる人は皆無でした。(97年から東京、大阪などを中心とする多くの中国語学校の上級クラスにもぐりこんで観察してきた経験から)
彼らは学習会を立ち上げ、音読を推奨しているようですが、当の本人が中級レベルなのにどうして音読がそんなにいいと断言できるのか私には理解できません。
音読は、繰り返すようですが初級から中級向けの方法です。
中級(中検準1やHSK10級)の方は、多読です。そこそこ国語力のある人が更に国語力を上げるたに音読するでしょうか?むしろ読書したり、読んだものをまとめたりして自分の認識を深めるのではないでしょうか?音読は、その時間を奪うのです。



投稿者:師匠 - 2011-06-17 21:39:10
こんにちは。
いつも読ませていただいています。
読書は自分の認識を深めるし、いろいろな知識も増えるので、大いにやるべきだと思います。
しかし、読めない文字も必ず出てきます。
普段から読みの練習もしておかないと、いざ話すとなったときに話せないのではないでしょうか。
中国人と話す機会の多い人はいいですが、そうでない人は音読でもして読み方の確認をしたり口を動かす訓練をするのも必要だと思います。
akiraさんへの回答では、音読を「弊害」とまで言い切る理由がわかりません。
知識力では上級といわれるような人でも、流暢に話せない人は多いですよ。
投稿者:maico - 2011-06-17 23:16:56
maicoさん
音読は、繰り返すようですが初級から中級向けには、効果的です。
初級から中級者向けに言うと、1冊の本をトータルで最低300回音読するといいでしょう。
ついでに言うと私は、学生時代に3年半、朝から晩まで17時間語学ばかり勉強しました。
その内、2~3時間を音読にあて、1つの文章を最多で1万回音読していましたが、ある程度まで行くと効果が低減していくのが自分でもわかりました。
そこで当時の師匠から勧められたのが多読でした。
まさに、

「そこそこ国語力のある人が更に国語力を上げるたに音読するでしょうか?むしろ読書したり、読んだものをまとめたりして自分の認識を深めるのではないでしょうか?音読は、その時間を奪うのです。」

という趣旨のことを言われたのです。
衝撃的でしたね。

音読を「弊害」とまで言い切る理由→上述した通りです。これは音読をやっている人を見ればすぐわかります。彼らはいつまでも中級です。

知識力では上級といわれるような人でも、流暢に話せない人は多いですよ。→
流暢に話せる必要は全くありません。
いくら流暢でも幼稚園児のような表現力では大人の中国人にばかにされてしまいます。

先日の勉強会でも言いましたが、中検やHSKの高級の保持者が上級者とは限りません。maicoさんの言われる上級者とはどういうレベルの人を言うのでしょうか?
少なくとも、今の検定試験の基準では、正確なレベルの測定は期待できません。
資格試験と中国語力UPは、勉強方法も違います。資格勉強では、本当の語学力は身につきません。
投稿者:師匠 - 2011-06-18 15:06:11
師匠様
私も試験で合格すれば上級だと言っているわけではありません。
もちろん受からない人よりは上級だとは思いますが。
この議論も「流暢に話す必要の全くない」人には無意味ですね。
お邪魔いたしました。
投稿者:maico - 2011-06-18 23:08:27
日本人ならだれでも日本語が流暢に話せるように中国人なら誰でも中国語が流暢に話せます。
教養のある人の話す日本語とそうでない人の日本語では明らかに表現力に差があります。
いくら流暢でも表現力が乏しければだめです。
流暢さを追う前にやるべきことは山ほどあります。がんばってください。
投稿者:師匠 - 2011-06-19 00:48:23
>akira さん、maico さん

当ブログにお越しいただき、有難うございます。あまぐりです。私で理論的なことはお話できませんが、当方が師匠の指導を通じて体感(体得)したことについて書きたくと思います。

私が師匠について勉強を始めたとき、「会話力を上げるためにネイティブと会話する必要はない」は真っ先に言われたことでした。そして、「ある程度のところまできたら、音読ではなく読書しなさい」ということも、かなり厳しく指導されました。

その結果、現在の私自身の会話力はというと…やはり、流暢とは言えないと思います。ただし、同じような年数学習を積まれてきた方の中で、抜群に上手いこともなければ、どうにもならないほど話せない、ということもないと思っています(→自己判断なので、基準が甘いかも知れませんが)。私は殆どを日本で勉強したため、人によっては「過去の仕事の中で会話力が鍛えられたんですね」「中国人の友人がきっと多いんでしょうね」などと言って下さる方もいますが、自分の実感から言っても、決してそんなことはありませんでした(むしろ意識的にそうしたものから遠ざかっていたように思います)。

会話力については、ややあやふやな実感しかないのですが、読書により格段の効果があったと感じたのは「聴力」でした。読書を始めてから、CCTVニュースの聞き取り(注:NHK華語新聞ではありません)やVOA(美国之声)のディスカッションの聞き取りが非常に楽になりました(格段の違いを感じた訳ではありませんが、一般的な会話の聞き取りにも効果はあったと思います)。

もう一つ個人的に得をしたな、と思ったのは「翻訳力」の向上に役立ったことでしょうか。日本には、多数の日中ハーフ、ないし日本育ちの中国人がいますが、今から死ぬ思いで勉強しても、会話の際の「流暢さ」という面では、本土育ちのネイティブはもちろん、彼らにも負けてしまうことでしょう。意外に「本(文章)を読む」というのは盲点で(皆がやりたがらないから)、自分の弱点を補える強みにもなるように思います。例えば、「辞書さえあれば『中→日』の翻訳なんて簡単、何とかできる」と考えがちですが、付け焼刃では何とかならないケースのほうが現実には多く、そうしたときに読書によって培われた読解力が効果を発揮してくれるように思います。

中国語学習者にはどうしても「漢字を見れば意味が分かる」「発音に始まり発音に終わる」という思いが強いせいか、なかなか「読書」に進む方が少なく、あるいは「読書」と言っても、一定の時間を割かない方が多いように感じています。「漢字を見れば意味が分かる」のは初級までの話であり、大人向けの文章をネイティブのようにスラスラ読めるか?という基準を持ってくると、かなり手前で躓いている方が多いように思います(私もそのうちの一人です)。私は現在の仕事柄、「流暢さ」というスキルも当然必要になるわけで、そちらの修練も欠かせませんが、それ以上に読書を意識して今後も学習していきたいと思っています。

上記はあくまで私の個人的な実感ですが、もし宜しければまた当ブログに遊びに来て下さい。お待ちしております。
投稿者:糖炒栗子 - 2011-06-19 11:05:19
音読で流暢に話せるようになると思っている読者のために補足しておきます。
音読は既にある決まった文章の暗唱はできるものの会話に必要な自分のことばで話す(会話を組み立てる)能力までは鍛えてくれません。
会話ができるために一番重要なのは、構文力ですが、そのためには語彙力、文法力は当然のこと修飾語、被修飾語を正しく理解し正しく使いこなせなければなりません。
その上で流暢に話すとなるとやはり、会話の環境を整えなければなりません。
この点で国内で流暢に話せるようになるには、それこそあるロシア語の通訳者がやってるようにペットを練習相手にしないといけないでしょう。
もし、流暢さを求めるのなら中国に最低4年は住む必要があります。
流暢さだけではなく、新語や日常会話(生活会話)みたいなもの、あるいはどういう時にどういう言い回しをするのか等は、やはり中国で生活しないと身につきません。
そうかといって中国でもちゃんと勉強しないとその辺の教養のない中国人と同じレベルの中国語しか身につかなくなってしまいます。
結局、流暢さを求めれば中身が弱くなり、中身を求めれば流暢さが疎かになるというジレンマに立たされることになります。もちろん、両方備えられればベストですが、それをやろうと思ったら日本で基礎をしっかり叩き込み、中国語で読んだり書いたりがある程度できる段階で中国へ行き4年住むというのが理想です。ただ一般的にはそんなことはできないので、流暢さを捨ててでもいいからしっかりした中国語力を日本でつけるということになると思います。語学の勉強は率直に言って大変です。(趣味で地道にやるのが長続きするコツかと思います。)
投稿者:師匠 - 2011-06-19 11:56:45
上達するための方法なんて人それぞれじゃないですか?
それぞれが求めるレベルも違うし、中国語を使ってどうしたいのかも違うし。
流暢さを求める人がいれば、流暢さよりも中身を求める人もいるし、同じ方法でも身に付く人と付かない人もいるだろうし。
そもそも師匠さんはあまぐりさんの師匠であって、他の人の師匠ではないですからねぇ。
いろんな方法を知って、その中で自分に合った方法でやっていけばいいんじゃないでしょうかね。
投稿者:賢一郎 - 2011-06-19 21:39:49
師匠さん
先日はありがとうございました。2次会で熱い議論ありがとうございました。おかげさまでテンションあがりました。そういえば、この前ちょうど、やり方は、100人いれば100人違うって何度も強調されてましたよね。賢一郎さんのおっしゃる通り、現状維持でいいと思いますよ。
師匠さんの日本で中国語通訳者が育っていないのは事実だと思いますが、中国人に負けたっていいと思いますよ。通訳は、今もそうですが中国人に任せるしかないと思います。そもそも英語と比べて中国語は難しすぎるのでどんな方法を使っても外国人には、無理だと思います。
投稿者:しんちゃん - 2011-06-20 10:52:44
私もそう思います。今までいろんな方法でやったけどうまくなりませんでした。
確かにやり方はいろいろでいいけどその結果が今の現状だと思うし、いくら師匠さん1人がばんばったって変わらないと思いますよ。いままで通りでいいじゃないですか!
投稿者:小心者 - 2011-06-20 15:44:47
>賢一郎さん
>しんちゃんさん
>小心者さん

当ブログにお越し下さり、またコメントを頂き、誠に有難うございます。あまぐりです。

文章での交流となると、どうしても真意が伝わりにくかったり、予期する以上にきつく聞こえてしまうこともあります。akiraさんやmaicoさんもそうですが、もし皆さんの感情を害してしまったとしたら、ブログ主としてお詫び申し上げたく思います。誠に申し訳ありませんでした。

師匠は確かに当方の師匠であって、本来は皆さんに何か申し上げる立場にありません。また、師匠の弟子たるわたし自身、まだまだ説得力を欠いた低いレベルにある以上、(そう意図したわけではないとは言え)皆様にご迷惑をおかけし、本当に申し訳ありません。

ひとまず、お詫び方々コメントまで。
投稿者:糖炒栗子 - 2011-06-20 19:18:52
師匠さん、どうもありがとうごさいます。

なるほど、師匠さんの文脈が読めました。中級以上に到達しながら、学習時間の半数以上を音読にかけるような過剰な音読主義に対する警鐘なのですね。音読そのものの弊害ではなく、正確に表現すれば"音読主義による学習効率への弊害"ということですね。

また上級クラスに上級者とみなせる人は皆無ということですから、日本人中国語学習者が平均的に表現する上級と、師匠さんの表現する上級は定義が異なることもわかります。

師匠さんは対話相手を糖炒栗子さん一人に想定しているため、こういう表現だったわけですね。

また上級者と母語話者の学習法は当然類似しているはずである(例えば小学生は教科書を音読するが社会人が母語の新聞を音読するはずもない)、故に語力の増加とともに音読の必要性は低下する、というロジックは私も同意見です。知識習得を目的とした書籍類は、私も音読する気にはなれませんから。
投稿者:akira - 2011-06-20 22:29:41
Akiraさん、ご理解の通りです。
やり方は、人それぞれですが、効率のいいやり方とそうでないやり方は、
当然あります。もちろん、趣味でやってる人はそれでもいいと思いますが、ここで言っているのはあくまでプロを目指す人(高度な語学力を付けたい人)向けの話です。(このブログの主旨もそのはずです。勘違いしている人が多いので念の為)
新書を音読して読む日本人はいないのに外国語学習になると
そこそこ読めるようになった中級者の方でも音読でレベルUPを図ろうとしているのはいかにも滑稽です。ちゃんと発音できて音読できるのにそれでも音読している。
Akiraさんは読み取って頂けましたが、中検やHSKの基準は商業主義に基づき甘く設定されているので、早い人で0から始めて2年もすればHSK高級まで行ける、高級は、中国語学習の世界では上級者の位置づけですが、勉強始めてたったの2年やそこらで上級になれるはずがありません。(30年前の大手英語学校のランク分では、英検1級は中級でした。その上に上級準備というのがあって、その上が上級でした。学校も増え、競争になるとどうしてもレベルを下げざるをえなくなります。結果、今は、準1レベルが上級です。)語学をやるなら最低10年はかかります。
どの勉強もそうですが、楽な道はありません。最も、プロになるような人はわかっているし、また既に実践していますが。
投稿者:師匠 - 2011-06-21 09:31:41
糖炒栗子さん、少し険悪なムードを作ってしまったみたいですみません。師匠さんのような上級者と思われる人が強く断言調で主張しているのを見ると、何か私の知らないデータや理論に基づいているのではないかと気になったのです。私は中国語学習者というよりは、認知科学/心理学畑の人間なのでデータと理論に気になりまして。今は発言の理論と根拠がわかりましたので、注意点も理解できました。

これからも有益な情報を楽しみにしています。
投稿者:akira - 2011-06-21 19:35:04
>akiraさん

再度コメントを頂き、誠に有難うございます。逆に気を遣わせてしまったようで、申し訳ありません。

ブログ主たる私自身から有益な情報を発信できているか…というと甚だ疑問ですが(@_@)、師匠あるいは当ブログにコメントを残して下さる皆様のお陰で、私自身が逆に勉強させて頂いています。

これからも、何卒宜しくお願い致します。
投稿者:糖炒栗子 - 2011-06-23 21:41:30
あらっ、いやだ。プロ向けの勉強方法だったのね。そういえばブログのタイトル準1級からの出発だったわね。師匠さん、勘違いしてましたわ。失礼しました。
投稿者:小心者 - 2011-07-01 16:56:46
少々、気になったのでコメントさせていただきます。

「音読」がメインのテーマになっているようですが、

まず、語学の「上級者」という定義自体が曖昧ですね。


かなりレベルの高い通訳者でも、まったく畑が別の専門分野の通訳となれば、

「初級者」になりますからね。


お「師匠」さんがおっしゃる音読の「弊害」というのは、以下のことおっしゃっているのでしょう。

まず、語学の基本要素として、発音、文法(構文)、語彙、以上三要素があげられます。

中級者になると、以上三要素はすでにある程度身についている、ということですね。


音読は強く記憶する、つまり、インプット重視型の学習方法ですから、

自分で構文にそって考えを外国語で組み立て表現する、つまり、アウトプットの際の

頭の使い方と根本的に異なるというわけですね。


但し、上級者にとって「音読は弊害」というのは、「上級者」という曖昧な言葉を前提に

して導く結論としては、言い過ぎといえるでしょう。


現代のすぐに現れては消えていく資料を音読するのはたしかに「弊害」と言い切っても

いいでしょうが(人間の精神は言語に強く影響されますから)、非常に価値のある資料や

小説、数千年を越えて今まで伝わってきた古典などを読むときは、「上級者」であるなしに

関係なく、音読は必須といってもよいです。


何故なら、音それ自体に含まれる意味、文章のリズムそれ自体が持つ意味があり、

筆者の真意を体感、実感するには、

自ら筆者になりきる音読が重要な要素になってくるためです。


以上の反例でお「師匠」さんの「弊害」発言は誤りであることは

明らかですが、おそらく、彼(?)が、「上級者」という曖昧な表現を前提に、

「音読は弊害」という言葉使いをしている理由は、彼の語学学習法が、

お金稼ぎの「語学」を中心にしているからなのではないかと思います。


言語というのは、一見、抽象度が高いようにみえますが、それほど高いわけではありません。

言語で表現できないことはたくさんあります。


口調、表情、リズム、そういった非言語的なコミュニケーションは

文章の筆者と対話するときはもちろん、実際の現場では非常に大きな位置を

占めてくるということですね。


「時代は、違うとはいえ倉石先生の名前は、学習者としは記憶していなければなりません。」

という発言が、お「師匠」さんのかなり「個に偏ったマインド」を現していると思いますが、

私としては、別にその先生の名前は憶えなくてもいいけど、

その先生の使っている方法論と根拠は覚えておく必要はある、ということですね。


そもそも、その先生の方法論自体、彼一人だけで確立したものではないでしょう。

また、先人たちは自分の名前を後世に残すために執筆するわけでもありません。

いえ、むしろ、そういったエゴで書いたものであれば、後世に残る普遍的な価値を

もつ内容にはならないでしょう。


様々な先人の知恵を借りて、それを自分なりに解釈、付け足すという形で

理にかなった方法論というものは確立されていくものなのですから。
投稿者:阿部 - 2011-07-10 09:00:57
お「師匠」さん、「中国語のプロ」とおっしゃるのであれば、

中国の一流の知識人と対話するのに最低限必要な七経には精通しましょう。


「読んだこともない」、それだけで恥をかくことになります。


「音読の弊害」を言う前に、空海の「秘蔵宝鑰」を白文で音読してみましょう。


学習会でニュース素材をなど価値のないものを使うのではなく(そんなものを

読むのに教師の指導は必要ありません)、中国文化の根幹をなしている経典や詩を

素材にしたほうが、学習者の自発的学習を促しやすいという意味でも、

長期的にみると、ずっと「機会費用」が高いと思います。


さらに、最高級のプーアル生茶をふるまうなど、

それはまた、意義深い、茶会にもなるでしょう。
投稿者:阿部 - 2011-07-10 10:27:09
阿部さんは、中国古典文学の研究者でしょうか?そのレベルに阿部さんがおれられるのであれば、私ごときが師匠と名乗るのはお恥ずかしい限りです。
ただし、ここでの議論は、どうしたら「さまよえる中級者」から抜け出せるかですので、空海を読んでなければ恥をかく云々はまた別の議論になります。私の定義する上級者については、このブログを(と言っても弟子の甘栗のブログですが)を最初からお読み頂ければと思います。

阿部さんのおっしゃる通り、古典に精通できれば非常に理想的であるとは思いますが、それで効率的にレベルUPする(した)か?というのが私の問題意識です。特に甘栗は通訳者を目指して努力している段階ですが(駆け出しにも「通訳者」と名乗る資格があるとすれば、すでに通訳者ですね)、その仕事に耐えうるだけの高い語学力を習得するためには、古典も読まなければならないであろうし、現代の中国を読み解く鍵となる近現代史にも一定の知識が必要であろうし、その他「すべきこと」は無限にあります。やればやるほど(愛せば愛すほど?)頂上が見えなくなる、それが中国語(語学)ではないかと思っています。
もちろん、中国人にとって特別の意味を持つ古典(歴史)に精通できればそれが一番なのでしょうが、その分野の専門家である・なしで 必読であるもの・そうでないもの とに分かれてくるとすれば、少なくとも「通訳者」としては、阿部さんのおっしゃる内容については「努力義務」であるというのが私の認識です。少なからぬ中国語通訳のプロの方は「毛沢東選集」「鄧小平選集」等を必読の書として挙げられていますが(私自身も読んでいます)、古典に関してそこまで踏み込んだことをおっしゃった方は、寡聞にして存じ上げません。誤解して頂きたくないのですが、「だから古典は学ばなくてよい」という意味ではありません。通訳者として(あるいは私の定義する上級者であるために)どこまで学ぶのが「必須」か、ということです。

もう一つ、前回の学習会で使ったニュース記事ですが、日本語の題材を日本語で聞き、日本語でまとめることができるかのテストのために用いました。これは、中国語に通訳する以前に、母語の日本語ですらまとめられないケースが意外に多いためです(つまり、価値のないかもしれないものすら読めなければ、空海なんてとんでもないわけです)

蛇足ながら、「機会費用」=英語ではchance loss、コストが高いの意味です。
投稿者:師匠 - 2011-07-10 21:56:39
懐かしいですね。私が中国語を始めたのは大学に入った1980年なので、倉石先生(~1975)にお会いする機会はありませんでしたが、先生たちからさまざまなエピソードを聞かされました。

北京留学から帰国する途上の玄界灘で「訓読を捨てた」話、「現代中国語なんかやって」という批判に「私が古典を読めないと言われるのですか?」と反駁して誰も何も言えなくなった話、神保町の中国語教室時代の話、岩波の日中辞典を作る時に語感や例文について黎波先生が「骨までしゃぶられてカスカスになった」話・・。

私が日中学院に通っていたころ、学院長は藤堂明保先生で、修了式(夜の別科1年半のコース)に藤堂先生のサイン入り北京地図をもらいました。いまでも持っています。

倉石先生も藤堂先生も、超一流の学者ですが、中国語教育にも情熱を注がれました。中国専門家をめざす学生にだけでなく、一般の社会人向けにも。戦後日本の中国語教育は、まちがいなく倉石先生とその学生たちによって切り開かれましたよね。
投稿者:春月 - 2011-07-11 05:24:40
私が語言大や北京大のテキスト、その編纂方針の元になっているHSK綱要(語彙や文法)を調べた感じでは、

初級  発音、語彙1000~1200語、初級文法
中級  語彙3000~5000語、語法、成語や慣用語、リライトした文章で
高級  語彙5000語以上、リライトしていない文章で、映画やニュースなど生の素材も

「同じものを繰り返し声に出して読む」トレーニングとしての「音読」は、初級では一つのテキストを何十回も何百回もやると効果的。中級では回数を減らしてよし、その代わりにさまざまな文章をたくさん読むほうがいい。5000語までは、読めない字は発音も調べる。(テキストは発音も書いてあるので、体系的に編纂されているテキストで中級まで終えるのが早道)

あまぐりさんも、旧HSK8級・中検準1級あと数点で不合格時代は「音読」した。旧HSK10級・中検準1級のいまは「多読」している(新聞や雑誌や新書を「読書」といわれると違和感があります)。

高級は、どの分野を学ぶかでいろいろ違ってきます。「報刊言語」は独特な文章で、中級時代にテキストで勉強するとニュースの聴き取りが格段にラクになります。日本語でもそうですが、ニュースは読む人によって聞きやすさがぜんぜん違いますね(内容を理解していない人が原稿を読むと聞きづらい)。ネイティブでも訓練しないとニュース原稿の音読はできません。会社では、仕事をしながら使える中国語を覚えればいい、ということで旧HSK8級以上なら就職できる、と設定されています。

ここまでは中国語の語学力全般の話で、通訳や翻訳はさらにトレーニングでスキルを身につける必要があるでしょう。中国語と「日本語」を行ったり来たり、ですし。

むかしは日本でも新聞など声に出して読んでいました。日本語の音読ブームもありましたね、「声に出して読みたい日本語」。中国ではいまでも日本よりさまざまなものを声に出して読んでいます。有名な小説や詩(古典含む)は、子供のころから暗誦できるまで何度も「念」しています。有名な演説を、音読や暗誦している大学生もいます。

多読と精読、多聴と精聴、バランスよく勉強すればいいと思いますよ。
投稿者:春月 - 2011-07-11 05:33:22
ついでですが、毛沢東は古典もよく読んでいて、日中国交正常化のときに田中角栄に屈原「離騒」を贈ったと記憶しています。(書名は「楚辞」だったかも知れません) 毛沢東の文体もまた独特で、「否定文から語り始める破壊的、革命的な文体」と誰かが評していました。

それから空海(日本人ですよね?)は、古典文学研究のほうでは「文鏡秘府論」という文芸理論書が「中国でも」有名です。日本人なのに中国人も驚くほど中国語に造詣の深い人が昔からいたんですね。

儒家の経典は、五経・六経・七経・九経・十二経・十三経、とまとめ方はいろいろで、空海の著作がここに分類されるわけではないです。
投稿者:春月 - 2011-07-11 05:57:01
阿部さま

私は師匠さんと同じ師匠のもとで英語を磨いてきた一英語屋です。
甘栗さんが中国語通訳の世界で活躍されるのを
影ながらバックアップしている者のひとりです。


師匠さんは日本における中国語界に一石を投じようとの思いなので
議論が起こることはある意味有意義なことであると考えておりますので
この度の叱責・ご批判をまことにありがたく思っております。

 さて方法論については各人それぞれのこだわりがあるでしょう。
重要なのはその結果・成果です。

 阿部様は相当の実力者とお見受けしました。
是非ご自身の音声を公開していただけませんでしょうか。

さらに甘栗さんと
たとえば「日本人は議論が不得意である」という命題について賛否両論からの議論等
それに類するトピックで
スカイプで話していただけますか。

その模様を録音してアップロードするツールもございます。


現在甘栗さんは発展途上です。その彼女にに必要なものは
彼女よりはるかに上手の中国語実力者にこてんぱんに負かされることであると考えています。
そうでないと進歩はありません。

 昨今はYouTube等のツールができて、たとえばスーザン・ボイルなど
無名でも実力があれば一夜にして世界中の知ることろとなります。
 ある意味実力者にはチャンスでありそうでないものには残酷でもある世の中になりました。

甘栗さんにとっては試金石となる良い機会ではないかと思います。


 是非この申し出お受けいただくようお願いいたします。
投稿者:RON - 2011-07-11 08:14:32
阿部さま

人に音声を公開しろといいつつ自分は出さないというのもフェアでないので
英語音声を
以下に公開します。
私を含む
師匠さんと私と同じ志で英語をやっている仲間の音声です。

私に関しては語彙的文法的間違いは多々見受けられます。
私も発展途上ということです。
しかし中国語の世界の方にこのレベル以上の方がどれくらいおられるのかには非常に興味を持っています。





長崎の雨さん(日本国内で磨いた英語)
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1747278377&owner_id=7661548

上川一秋氏 (大学卒業後在米16年)
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1747358097&owner_id=7661548

不肖謎の東洋人RON(日本国内での国産英語)
http://audioboo.fm/boos/406827-masa-radio-26-talking-to-mr-ron

以上3人が英語で対談
http://p.tl/asJ8
投稿者:RON - 2011-07-11 08:29:15
すいません

↑ではリンクできない設定なので再度掲載します。


長崎の雨さん
http://audioboo.fm/boos/406645-masa-radio-24-talking-to-mr-ame

上川一秋氏
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投稿者:RON - 2011-07-11 08:37:00
私、空海読んでみよと思います。それで1級取れるならがんばってみます。
投稿者:小心者 - 2011-07-11 13:48:30
シェイクスピアを読むのはよいことですが
英検1級に合格できるかというとまた別の話だと思います。

日英の同時通訳をするなら教養として読んでおけば良いと思いますが
必須というわけではありません。

中国語の世界で空海を読んでいる人が中国語の運用能力も秀でているのかは
阿部さんがご自身のパフォーマンスとして見せていただけるでしょう。

投稿者:RON - 2011-07-11 14:28:28
私は第二外国語でドイツ語を習い最終的に1級まで取りましたが、カントやヘーゲルまではとても読めませんでした。あれは日本語でも難しいですよ。
社会人になってからHSK8級を取得して会社の中国室に勤務し仕事の傍ら通訳技術を学校で学んでいます。
しかし、カントやヘーゲルと同じで1級持ってるようなかなりの上級者でも空海は読めないと思いますが。
それよりも時事ニュースそのものの価値は低いとしても、我々仕事をする立場から言えば、今日本や世界で何が起きているか知っていないほうが空海を読めることよりもはるかに大事ではないでしょうか?生きる意味を考える上では空海もいいですが、ビジネス社会ではオタクとして笑いものになるだけです。駄文失礼しました。
投稿者:若造 - 2011-07-11 14:50:48
RONさん
本来、私が議論していることは少なくとも外国語学習では長い歴史と実績を持つ英語の世界では当たり前のことであるはずなのですが、遅れた中国語学習の世界では反論が来ます。
倉石先生を知らないことは、英語通訳者ならだれもが知っている国弘正雄を知らないのと同じで奇妙です。何が間違ったのでしょうね。中国語教育の専門家の方からのコメント待ちます。
投稿者:師匠 - 2011-07-11 16:52:07
「彼女よりはるかに上手の中国語実力者にこてんぱんに負かされることであると考えています。
そうでないと進歩はありません。」英語の世界ではお互い叩きあいですからね。
中国語の世界にもそれを望んでいるわけです。
それは私の夢でもあります。でなければわざわざ地方都市から勉強会のために新幹線代、ホテル代出してまで上京しません。(完全なボランティア精神です)
昨日から、空海を理解できる上級どころか超に超がつく大物からのコメントに大感激しているところです。
英語をやっていた30年前が懐かしいです。叩いたり叩き合ったりレベルが低いとののしられたり、その度に倍で足りなければ、全ての時間を英語に投じて磨きをかけました。
安部さんがほんとに空海読めるなら、RONさんのいうように道場破りに来て頂きたいのです。
中国語学習者にカツを入れてほしいのです。
(ただし、空海は読めるけどマルクスやヘーゲルは読んでない、理解していないというのはなしでお願いします。中国の知識人は当然読んでいますから。=私ももちろん有名な古典はほとんど学生時代に読みました。)
お会いできることを楽しみにしております。(中国語学習者のために誤解ないように言っておきますが、これは喧嘩ではありません。RONさんの言うように英語の世界では当たり前です。)
もしこんな低レベルの会に出られないと言われるなら、私の知り合いで中国語の天才(初めてお会いしたとき、天才とは彼のような人をいうのだなあと思いました)おそらく、その方に中国語で敵う人は日本にいないでしょう。個人的に紹介させていただきますがいかがですか?
投稿者:師匠 - 2011-07-11 20:38:16
間違いが明らかという言葉は私に言うのではなくその方法が当たり前になっている中国語教育よりもはるかに進んでいる英語教育にクレームをつけて下さい。
(私は当たり前のことを言ってるだけなので)
事実、何度受けても準1級に受からなかった人が、私が3ケ月で受かると事前に宣言し、私の指導で見事、合格し通訳の仕事を得ました。
また他にも多く成果を上げています。あまぐりにいたっては、驚異的な効果を上げることに成功しちます。ロシア語でもフランス語でも私は他言語の世界を20年以上見てきましたが、中国語の世界だけが遅れていました。大事なのは、結果です。
空海だけ読めてもだめです。分野を問わず、高い教養を身に着けなければなりません。
あまりにもやることが多すぎて私自身は、精神科に送り込まれそうになったほどです。
「語学バカ」とはそんなもんです。変態なんです。(有名な甘えの構造の著者の土井氏が通訳者って精神異常者なんですよね?といったそうです)
投稿者:師匠 - 2011-07-12 12:36:22
ますます熱いですね(笑)、前のコメントで書き間違えました。黎波先生がカスカスにされたのは、岩波の「中日」辞典でした、当然ですが。使いこなすのが難しい辞書でしたけど、言葉の固さ(柔らかさ)を示したり、画期的な辞典です。

十年ほど前から中国語教育をメインにしている者から言わせていただくと、昨今のチャイ語ブームは、以前の中国語学習とは違います。チャイ語履修者は爆発的に増加しましたが、そこから中国関係の専門に進む学生は、昔と同じ程度しかいません。以前は中国の何か(文学なり政治なり)を勉強したくて中国語をやる学生が、細々といて、そういう学生は倉石先生を知らないなんてことはまずなかったです。

中国が世界に目を向けるようになり経済も発展し、日本でもチャイ語を学ぶ学生が増え、気軽に旅行や留学もできるようになり、それはそれでいいことだと思っています。教育のほうは、初級は相原茂さん達の努力でまあまあ教材も教授法もまとまってきました。中級はあいかわらず乏しい。中国のほうが教材も教授法も整っていますが、なにしろ中級は「量稽古」が必要になるので、大学の第二外語ではなかなか時間がとれません。

私の学生は、中級は1コマ履修すればいいので、中国語が好きな学生はほかにセミナーで報道系の文章を読んだりし、3年目には中国語の文献を使って研究論文をまとめる、ような学生もいます。どうしても口語や聴力は弱いですが、専門分野を中国語「で」学べるように、が目標になっています。

通訳の世界は、高い語学力は当然で、さらにいろいろなスキルやマナーが必要でしょうから、たいへんですよね。

英語教育と比べて中国語教育が遅れている、と言われると、それは歴史的な背景もあったので、これからを見ててください、とお約束したいと思います。
投稿者:春月 - 2011-07-12 18:22:02
師匠さんが多読に重点を置き音読を低く見る理由は、中国語力というよりもむしろ通訳能力の問題と感じました。

私の通訳スクールの老師は通訳能力は外国語力とは全く異なると言います。通訳は日本語と中国語が半々ずつで、日本語力と背景知識が大切なわけです。

だからどんなに外国語力が高くても、あるいは子どもの頃からのバイリンガルでも通訳出来ない人もいるわけです。要するに母語と外国語がともにそこそこのレベル、80%と80%のようなのは通訳者としては駄目で、むしろ100%と60%ぐらいの方がまだいいんですね。80%と80%だと全く理解できない内容ができてしまうのに対して、どちらかが100%あれば少なくとも内容の理解ができるためです。

通訳者というのはただ外国語力が高いのとは全く違いますね。老師が政府要人のスピーチを同時通訳するのを現場で見たとき、ほとんど魔法のように感じられましたが、それでも老師に言わせれば同時通訳の方が逐次通訳よりも簡単なのだというのが印象的でした。

また師匠さんがときどき述べる低水準の通訳者の氾濫による価格崩壊にも強い危機意識を持っていました。通訳者は他の人ができないから通訳者がいる、すなわち通訳者が低水準でもクライアントはなかなか理解できない。すると低水準の通訳者がディスカウント攻勢をかけて仕事をどんどん奪っていってしまう。そして高い水準の通訳者にも同じ料金を要求するようになってしまう。これに非常に頭を悩ませていました。

おそらく師匠さんの危機意識も同じようなところから来ているのではないでしょうか。そしてこれらの危機意識を共有していない人には、師匠さんの言葉は相当に理解しにくいものだと思います。
投稿者:akira - 2011-07-12 20:59:00
こういうのを経済学では「逆選択」と言って中古車市場や保険市場を例に出して説明されます。
以前、偽物はいづれ淘汰されるからそういうことは起きないという議論がありましたが、それはクライアントの側にも通訳者を評価できるだけの能力があるのが前提です。
情報の非対称性といいますが、評価できない場合は、質の悪いものをクライアントはつかまされることになり、結果として偽通訳者が市場にはびこるのです。
投稿者:師匠 - 2011-07-12 21:45:09
春月先生、コメントありがとうございます。現場での生の情報はとても参考になります。
関東は、倉石先生、関西は高健夫でしたね?その歴史的経緯というのは、国交回復と同時に中国貿易が活発になり、弟子たちの多くは商社マンとして活躍したため、後継者を育てる仕事(中国語教育)に手が回らなかったと私は解釈しています。
投稿者:師匠 - 2011-07-12 23:53:31
阿部さんから未だ回答いただけないようですがどうされたのでしょうか。

甘栗さん、師匠さん、そしてロジスティックス的役割の私はいわば
「チーム英語道」として甘栗さんの中国語通訳界での活動を
プロジェクトとして進行しているということができます。

ですので甘栗さん、師匠さんに対する挑戦、道場破り(これらは大歓迎)
そして侮辱は私に対するそれと同義です。

阿部さんは我々に対してこれだけ大きく出られたわけですから
公開の場で中国語運用の実力を問うという土俵に上がっていただかないと困ります。

 師匠さんの提案されたように道場(勉強会)に来ていただけるのであれば
大歓迎ですが
スカイプによる出演であればもっと手軽にできるはずです。
世界中どこにいても自分の音声はいとも簡単にアップロードできる時代ですので
「忙しいからできない」等の言い訳は無しでお願いします。


 それとも
「実力が伴わないまま大口を敲いてしまったが公開の場で自分の中国語を公開する自信がなく逃亡」
されたのでしょうか。
そうであれば想定内であり気持ちはお察しいたしますが

以下のあなたの発言


>彼(?)が、「上級者」という曖昧な表現を前提に、

>「音読は弊害」という言葉使いをしている理由は、彼の語学学習法が、

>お金稼ぎの「語学」を中心にしているからなのではないかと思います。


これに対しては断固として謝罪を要求させていただきます。
投稿者:RON - 2011-07-13 12:28:47
あまぐりさん、ごぶさたしています。ブログで活躍ぶりをうらやましく、たのもしく思っています。
私は中国語教育の専門家ではないのですが、今の中国語教育、中国語学習が健康だという感じはやはりしません。
地方都市で通訳と言うのがはばかられる仕事しかしていない私ですが、それでも通訳業界の情報は多少入ってきます。それで感じるのは、中国語学習の世界の違和感が、通訳業界での違和感につながっている…ということです。
そう思ってはみても、この世界に一石を投じるという力量もないので、せめて自分自身のレベルアップだけはと思っているところです。
また遊びに来ますね。慣れない東京生活かと思いますが、体に気をつけて。
投稿者:cowley - 2011-07-13 14:03:31
師匠さんの言われる「上級者」の定義は、あまぐりさんのブログを全部読めば分かりますよね。
確かにそういわれてみれば私の今参加している勉強会の主催者の方のレベルも準1級でした。
Ron様のグループの皆様の音声聞いてこれが英語の世界かと正直驚いています。
確かに中国語の世界にはいなさそうです。
投稿者:しんちゃん - 2011-07-13 18:12:16
◆◆ブログの読者の皆様◆◆

仕事の関係で精神的に追い込まれていたこともあり、ブログをすっかり放置してしまい申し訳ありませんでした。その間、たくさんの示唆に富むコメントを頂き、ブログ主として本当に嬉しく思います。別途、個別にお返事していきたく思います。
投稿者:糖炒栗子 - 2011-07-13 20:36:04
◆◆小心者さん◆◆

コメント有難うございます。そうですね…中国語学習者、そしてプロでありたいと思う私への、熱い叱咤激励であると思って下さいね(RONさんも含め)。また遊びに来て下さい!
投稿者:糖炒栗子 - 2011-07-13 20:46:27
◆◆阿部さん◆◆

コメント有難うございます。七経、空海、本当に素晴らしいですね。わたしは(国文・中文専攻ではありませんが)国語課教員の免許だけは大学で履修したため、全くそうしたものと縁がない方と比べれば古典に接する機会はあったと思うのですが、それでも…本当の有名どころ(の一部)をすくって読んだ程度ですし、日本語をとっても中国語をとっても、常日頃勉強不足を感じています。そう言えば、同じ教員免許コースを履修していた仲間でも、中文・国文出身以外の人間は、なかなか原典まで手を出すことができないでいたように思います。

小学校の担任の先生の趣味もあり、百人一首を暗誦させられたことがきっかけとなり、中・高で好きだったのは、教科書に出てくる古典と漢文を(授業そっちのけで)暗誦することでした。そのときの経験?が、現在直接に間接に役立っている思っています。欲を言うなら、たとえ分不相応とは言えど、その後も自分で学習すべきでしたね…。

ちなみに「七経」ですが、現代中国語訳(エッセンス)でなく、白文で読んだほうが良いのでしょうか?また、もしエッセンスとして読むとしたら、特にどれ(どこ)を読むと良いでしょうか。もし宜しければ、ご教示頂けますと幸いです。今後も宜しくお願い致します。
投稿者:糖炒栗子 - 2011-07-13 21:06:28
◆◆春月先生◆◆

今まで不遜にも「春月さん」と呼ばせて頂いておりましたが、当方の師匠に倣い、本日より「春月先生」と呼ばせて下さい。

まだ80年代には、昔の中国(語)界の空気が色濃く残っていたのですね。わたしが大学時代、中国語を第二外国語として習い始めたときの教官も、80年代に学生時代を(日本・中国で)過ごされた、当時三十代の日本人男性でした(確か六朝時代の文学を専門としておられ、現代中国語が直接の専門であったわけではありませんが、この先生抜きに今のわたしはありませんでした)。その先生が授業中に語っていた院生時代、北京留学時代のエピソードを、春月先生のコメントとともに懐かしく思い出しました。

ところで今回も、色々と示唆に富むお話を頂き、誠に有難うございます。そうですね…新書(特に現在巷にあふれるもの)を読むことについて、読書と言われると違和感がある、と言われれば確かにそうだと思います(深い思索は必要ないので…)。わたしはほとんどテレビを見ず、だいたい文字から情報を取ることが多い(そのほうが好き)なのですが、それは単に活字好きであって、読書好きではないよな…と思い至った次第です。ただ、活字好き=通訳・翻訳問わず、言葉を扱う人間の必須条件だ…と、最近つくづく感じることがありました(いつかまたブログで書きますね)。

今後とも、何卒宜しくお願い致します。
投稿者:糖炒栗子 - 2011-07-13 21:24:29
>RONさん

いつもお世話になっています。コメント有難うございました。

英語界からの挑戦状(!?)誠に有難うございます。びっくりしている読者もいるかも知れませんが…わたしに対しても出された挑戦状として、懐に収めたく思います。中国語も、いつまでも英語に負けていられませんしね。
投稿者:糖炒栗子 - 2011-07-13 21:28:31
◆◆若造さん◆◆

初めまして。この度はコメント有難うございます。

教養として、七経・空海はもとより、色々な古典に手を伸ばしたい一方、例えば通訳者という実務科の場合、専門家のようにその分野において常に「100点(ないしそれ以上)」取れなくとも、平均的な事項(非常に抽象的ですが、少なくとも大学入試に出てくるような事項)は一般常識として押さえておく、そのための学習は怠らない(さらに余裕があればそれ以上に手を出す)…というのがあるべき姿勢ではないかな、と思っています。

ドイツ語を相当なレベルまで学習しておられたとのこと、称賛に値します。それはそうと、中国語のみ学習されてきた方より、英語でも何でも、他の言語から中国語に入った方のほうが、ある地点までの伸びについては異様に速いような気がします。その「ある地点」というのが、中国語学習者からすれば「こんなに早くその位置までたどり着くなんて」と羨むようなレベルであったりします。逆に、中国語学習者が他の言語に転向した場合そうなるか…というと、必ずしもそうならないように思います。当方師匠の「英語で当たり前のことが、中国語では当たり前にならない」という点に原因があるのかも知れませんが。

もし宜しければ、今後も当ブログにお越し下さいね。宜しくお願い致します。
投稿者:糖炒栗子 - 2011-07-13 21:41:29
◆◆Akiraさん◆◆

この度も、有益かつ的を射たコメント、誠に有難うございます。

当方の師匠の言葉は、確かに所定の文法的解釈とでも言いますか、共通の約束事が読み取れないと、難解かつ無礼な言葉になってしまうと感じています。自分でもどうその溝を埋めたらよいか分からなかったところ、Akiraさんが適切な注釈を入れて下さり、非常に感謝しております。

「通訳は逐次に始まり逐次に終わる」という言葉がありますが、確かにプロの先生は圧倒的に「逐次のほうが難しい」とおっしゃられますね。その言葉の示す本当の意味が分かれば、きっと自分もプロとして名刺が持てるくらいにはなっているんじゃないか、と甘い期待を抱いていたりもします。

今後とも、宜しくお願い致します。
投稿者:糖炒栗子 - 2011-07-13 21:48:07
>師匠

今回も、RONさん共々熱いコメントを頂き、本当に有難うございます。師匠の言葉は、AkiraさんやRONさんが一部補って下さいました。今後とも、厳しいご指導宜しくお願い致します。
投稿者:糖炒栗子 - 2011-07-13 21:54:20
◆◆cowleyさん◆◆

大変ご無沙汰しています。また、コメント有難うございます。何とか東京で生活しています。もしこちらにお越しの際は、是非声をかけて下さい。上京してからの出来事、中国語に携わる者として色々お話できたらなあ…と思っています。

今の中国語教育のあり方、あるいは(特に、地方都市ないし企業内での)通訳者・翻訳者の扱いについては、私自身も色々感じるところはあります。

そんなことを、次回お会いするときに色々お話しましょう!楽しみにしております。cowleyさんへのブログへも遊びに行きますね!
投稿者:糖炒栗子 - 2011-07-13 22:03:17
◆◆しんちゃんさん◆◆

RONさんとその仲間「チーム英語道」は確かに素晴らしいです。私も頭が上がりません。ある意味、変態度とでも言うか、中国語への愛情のボルテージをさらに上げて勉強に取り組むしかないですね(@_@;) 天外有天、海外有海。上には上がいます。本当に。
投稿者:糖炒栗子 - 2011-07-13 22:06:06

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