平成23年度版

観測日
水位:m
水温:℃ 川の状況
6/6 1.8 20 緩やかに静かに流れています。
 6/7  1.5 20  おだやかに流れています。 
 6/8  1.4 18 静かに流れています。水も澄んでいます。 
6/9   1.35 21  折よく川漁師さんにお話を聞くことができました。
「もうハクレンは上がってきている。産卵の待機をしているのではないか。」とのことでした。とはいえ、ジャンプや産卵が行われるのは雨次第ですが。
 6/10  1.34 20  たまたま、古河消防署の船外機付きゴムボート2隻が演習を行っていました。その存在に刺激されたのか、10匹ほどのジャンプを目撃しました。
画像提供:久喜市奈良様
 6/11 1.55  20  昨夜来の雨で若干水位が増し、流れが速くなりました。時折、ハクレンらしき魚がもじる姿が広範囲に見られました。 
 6/12  1.62 20  流れはゆるやかで水の濁りはありません。もじりも広範囲に見られました。
6/13  1.44  19  流れは緩やかで水の濁りはありません。もじりの見える範囲が狭いように感じられました。 
 6/14 1.49  18  昨日と川の状況は変わりませんが、もじりは活発に見られました。 
6/15   1.5 18  ここ数日、川に変化は見られませんが、単独や集団でのジャンプが稀に見られました。 下の写真は高圧線下付近で午後12:30頃記録されたものです。
画像提供:久喜市奈良様
6/16   1.3 18  もじりが活発にみられ、集団ジャンプも稀にですが目撃されました。 
 6/17 1.48  18  産卵待機状態のハクレン達も、待ちきれない個体があるようで稀に集団ジャンプが高圧線下付近で確認されます。しかし、昨夜来の雨の影響はさほどないように見受けられます。
 6/18 1.57  17  釣り堀の魚のように、広範囲で盛んにもじっています。しかし、期待しているようなジャンプはなかなか見られません。 
6/19  1.54   18 魚のもじりはありますが、降雨量も期待されるほどない状況では、ジャンプはなかなか見られそうにありません。下の写真は高圧線下付近で午後1時45分頃記録されたものです。
画像提供:久喜市奈良様
6/20  1.49  20  魚のもじりはありますが、ここ数日川に変化がありません。しかし、稀に上の写真のようなジャンプを見ることができます。 
 6/21  1.37 22  魚のもじりは盛んにありますが、水位もますます低下し、ジャンプには適さない状況にあります。 
6/22  1.43  22  昨日の夕立も、利根川の水位上昇にはほとんど影響がありませんでした。 しかし、魚のもじりは活発にあります。
下の写真は10時30分頃、川の対岸の浅瀬で記録されました。
画像提供:久喜市奈良様
 6/23  1.22 23  水位はますます低くなりましたが、水温が高いためか魚の活性は高いようです。 上の写真のような光景も、川岸で辛抱強く待っていると目にすることができるようです。
 6/24 1.1  24  台風5号に刺激されるかもしれない梅雨前線が、ハクレン達に恵みの雨となってくれればよいのですが。 
 6/25 1.0  25  水位の低下著しく、浅瀬が露わになっています。魚のもじりは活発にあります。 
 6/26  1.36 21  昨日は、群馬・栃木両県の山間部に雨が降ったので、水位は期待したほどではないにしろ、水の濁りがありました。魚は盛んにもじっていますが、ジャンプまでには至らないようです。 
 6/27 1.48  19  水の濁りもなくなり、梅雨は開店休業状態でしょうか。しかし、魚は盛んにもじっています。 
 6/28 1.2  22  水位の低下が見られる他は、昨日と状況がほとんど変わりません。魚は相変わらず盛んにもじっています。 
 6/29 1.1  24  夏を感じさせる天気のせいか、魚の活性が弱っているようです。 
 6/30 1.36  25  栃木の山間部に雨が降ったので水位は上昇しましたが、水の濁りはありません。しかし、魚は広い範囲で盛んにもじっています。 
 7/1 1.3   25 水の濁りはなく、魚は盛んにもじっています。今夜は関東の山間部の広い範囲で雨の予報なので、明日は期待できるかもしれません。 
7/2  1.48  25  期待していた雨も広範囲に降ったわけではなく、水位の上昇もほとんど見られませんし、水の濁りもありません。しかし、魚のもじりはあるので雨を辛抱強く待つしかないようです。 
 7/3 1.18  25  昨日と変わらない川の表情です。もじりがあるので、魚はいるのですが・・・ 
 7/4 0.98  26  水位はますます低くなり、可能性は限りなく低くなっていると思わざるを得ません。 
 7/5 1.1   25 上流部で降った雨は水の濁りを呼びましたが、水位の上昇には至りません。しかし、魚のもじりはあります。 
 7/6 1.3  25  若干水位が上昇し、魚のもじりが活発に見られました。 
 7/7 1.08  23  水位が低調に留まっていますが、魚のもじりは活発にあります。1〜2匹がジャンプするところを目撃しました。 
 7/8 1.1  24  水は澄み、水位も低いところで推移しそうです。しかし、魚のもじりは活発にあります。 
 7/9 1.16  25  川の表情もすっかり夏です。魚のもじりが弱くなっているようです。 
 7/10 1.32  27  昨日は梅雨明け宣言がありましたが、夕方から夜中にかけて群馬県、栃木県の山間部にまとまった雨が降り、水が濁っています。また、AM9:57頃に起こった地震によるものか不明ですが、地震を感じると同時に数百匹のジャンプが観測されました。およそ15秒前後続いたと思われます。その後もおよそ30分のうちに2〜3回、10匹単位のジャンプが観測されました。

画像提供:久喜市奈良様
 7/11  1.7  26 昨日も夕方から夜中にかけて群馬、栃木両県の山間部にまとまった雨が降り、水嵩が今年の観測を始めてから最高に達しました。しかし、利根川上流河川事務所の観測データによると午前9時以降は減少に転じており、これ以上の水位増は望めないと思われます。
ジャンプも、地震によると思われるそれ以降はほとんど観測されず、本日ももじりは盛んにあったものの、ジャンプは望み薄だと思われます。
また、水の濁りは適度にありましたが、産卵は確認できませんでした。 
7/12   1.08  25 水位が下がってしまい、ところどころで巨体が水面にあたる鈍い音が聞こえてくるだけです。産卵も確認できませんでした。 カメラマンの皆様、暑さ厳しき折、どうぞご無理をなさらずにハクレンを見守って下さい。
7/13  0.95  26   さらに水位が下がってしまい、浅瀬で烏が鳴いています。土手草の勢いはものすごいものの、ハクレンの勢いは昨日よりありません。産卵も確認できませんでした。とはいうものの予測はできないもので、AM9:28頃に以下のようなジャンプが観測されました。

画像提供:久喜市奈良様
 7/14 0.94  26  夏の川の様相ですが、魚のもじりが見られるので帰ってはいないようです。また、産卵は確認できていません。 
 7/15  1.18   27  夕べ、草津の方で雨が降ったとの事で少々増水。あちらこちらで魚は飛んでいますが、産卵は確認できていません。9時前にカメラマンの目の前で8匹程度のハクレンが飛んだようです。
(ハクレン観測の為に、足元の土手草を刈って下さった方、ありがとうございます。)
 7/16 0.96  26   水位が下がってしまい、産卵も確認できませんでした。時折、跳ねるハクレンも元気がなさそうです。夕べの地震前にも予知ジャンプをしていたのでしょうか?今夜と明日の夜は、荘厳で豪快な大神輿が街を練り歩きます。ハクレンの豪快なジャンプも期待したいところです。
 7/17 1.12  26  もじりは弱いものの、魚はまだいるようです。 台風6号は日本列島に影響を与えそうですが、ハクレンへの影響はいかに。そして、なでしこジャパンの試合結果も気になります。彼女達の笑顔が見たいです。
 7/18 1.12  26  昨日とほとんど変化がありません。もじりは少ないですが魚はまだいるようで、産卵は確認できませんでした。それにしても、なでしこジャパンおめでとう!
 7/19 2.1  急な増水につき
計測中止
台風6号の影響によると思われる風雨は予想外に早く訪れ、ここ栗橋でも午前8時台から強い雨が降りっきりとなっています。群馬・栃木両県にも同様の降雨量があり、利根川は急激に増水しています。肝心の魚は、いるのかいないのかわからない状態です。 
 7/20 5.3  25  本日午前中、産卵行動が確認されました。産卵が終わればねぐらに帰るので、ここでハクレンが見られるのもあと数日だと思われます。期待された集団ジャンプも見せずに帰ってしまう公算が大です。

産卵光景です。オスとメスなのは確実ですが・・・

ハクレンの卵です。無色透明で水晶玉のようです。直径4〜5ミリというところでしょうか。青く見えるのは玉網の色が反映されているからです。
7/21  3.68  22  水位はずいぶん低くなり、水も澄んできています。ハクレンのもじりがあり、全ての群れの産卵は終わっていないようです。まだ、産卵前のジャンプの可能性はあるようです。 
 7/22  2.75  21  水位はだいぶ減って、水も澄んでいます。卵は見当たりません。先日の猛暑が嘘のような、涼しいというよりも肌寒く、流れも急で、卵をさぐる網にも力が入ります。時々、跳ねる音が聞こえますが、ハクレン様はまだいらっしゃるのでしょうか?
7/23   1.84  20.5  水位は更に減って、水温も低く、流れは昨日よりは緩やかではありますが、跳ねる音が全くしません。長い間ハクレンにお付き合いいただき、情報提供をいただきましたカメラマンの方も、今日はお一人でした。その方に、過去のハクレンのジャンプ、利根川の野鳥の写真を見せていただきました。利根川には珍しい野鳥も生息しているようですので、ハクレンが帰った後もぜひ、利根川の散策でもしていただけたらと思います。
 7/24 1.54   23  昨日の報告にもありましたが、午前中小一時間いても、もじりが全くありませんでした。このことからハクレンはねぐらに帰ったと判断し、今年度の観測を打ち切りとさせていただきます。ご協力いただいた方々に深甚なる感謝を申し上げます。ありがとうございました。

ハクレン観測状況の水位は右の写真の所を基準に測定しています。場所は、国道4号の利根川橋と東北新幹線鉄橋の間です

利根川の水位、雨量については利根川上流河川事務所HPからもご覧になれます。


ハクレンのジャンプと産卵
 ジャンプは産卵をする前日や産卵をする条件が
と整いそうな時に多いようです。
 産卵をするには、産卵日の前日ないし前々日が
雨天で、水温が20℃前後、水の流量が毎秒500立
方メートルから、1000立方メートル前後、また、卵
をカモフラージュするための水の濁り(透明度13〜
22p程度)が適当な条件になったときに産卵をはじ
めるようです。
 おもに6月から7月で、利根川の上流部に大雨が
降り、流量が増加した翌日から、産卵する傾向があ
るようですが、その年の気象条件によっても異なる
ようです。


                                 ハクレンが栗橋付近で産卵する理由

 クレンの受精卵は水の流れがないと川底に
沈んだりして、ふ化しません。栗橋付近で産卵
された卵は下流に流されて、ふ化する2日後ちょ
うど、霞ヶ浦近くにさしかかり、稚魚は流れの少な
い霞ヶ浦や北浦に入り込みます。したがって繁殖
するのに都合がよいのです
       

                        ■ハクレンのジャンプを見るポイント

 国道4号沿いの利根川橋付近から
新幹線鉄橋の間がハクレンのジャンプ
を見るポイントと言われていますが、その
年の気象条件などによっても変動するよう
です。

(案内図はこちらをクリック)