建築家が選んだ「韓国を代表する建築物」とは（上）

　これまで見られなかった特異な形や素材の建築物が都心に続々と登場し、韓国の都市の風景がが様変わりしている。

　本紙が最近、韓国の有名建築家や建築学科教授など専門家30人（23人が回答）を対象に「韓国を代表する建築物」のアンケート調査（複数回答）を行った結果、漢江に面した「仙遊島公園」が13票でナンバーワンの建築物に選ばれた。さらにソウル市鍾路区苑西洞の空間グループ社屋（9票）、ソウル市鍾路区仁寺洞のサムジギル（7票）、京畿道の坡州出版都市（6票）、ソウル市中区奨忠洞のウェルコムシティ（5票）が続き、「ベスト5」に挙げられた。このほか、トップ5圏外には仁川国際空港（4票）、 慶尚北道慶州市のソンジェ美術館、仁川市江華郡吉祥面船頭里の住宅、全羅北道茂朱郡の公共施設プロジェクト（以上、各1票）などが名を連ねた。一方「ワースト5」には、光化門広場（10票）、芸術の殿堂（7票）、タワーパレス、清渓川（各6票）、鍾路タワー、竜山区新庁舎（各5票）が選ばれた。これらはいずれもソウルにある。地方では、忠清南道天安市の独立記念館（2票）、大田市のワールドカップ競技場、同じく大田市の政府総合庁舎（各1票）などが挙げられた。

　有名建築物といえば、外観が独特な高層ビルを思い浮かべるが、「ベスト5」に選ばれた建築物はいずれもこのような認識とは隔たりがある。一方「ワースト5」は、ほとんどがソウルを象徴する代表的な名所で、大勢の人々が訪れる公共の場所でもあり、一般人としては理解しにくい側面がある。こうした認識の差は、建築の専門家が建築物を見る際の視点から生まれる。専門家は、目立った外観よりも「周辺との調和を重視し、土地に宿る歴史を反映した建築物」を高く評価している。なお、ワーストに挙げられた建築物については「周囲の状況（コンテキスト）や歴史を考慮しなかった」という点が共通して指摘された。