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ノルウェー 連続テロの徹底解明を 07月24日(日)

 衝撃的なテロ事件がノルウェーで起きた。多くの尊い命が奪われている。許し難い卑劣な犯行である。犠牲者に心から哀悼の意をささげたい。

 首都オスロで爆弾テロが起きた後、与党労働党の青年部の集会があった島で銃が乱射された。10代の少年少女が多数亡くなった。恐怖と無念はどれほどだったか、察するに余りある。

 首都の首相官邸ビルに被害が出た。島の集会にはストルテンベルグ首相も出席予定だったという。警察は、政府と与党を標的にした連続テロとみて調べている。

 銃乱射現場でノルウェー人の若い男が逮捕された。二つの事件を起こした可能性がある。

 男は極右勢力とつながっているともされる。共犯者やそそのかした者がいなかったかどうか。動機と背後関係の徹底的な解明が重要だ。爆弾の入手経路などから、丹念にたどってほしい。

 銃乱射は米国などでしばしば大惨事となっている。日本を含めて世界各国は、銃管理のあり方があらためて問われる。

 ノルウェーは国土の広さで日本をやや上回る。人口は長野県の2倍強の約485万人と小ぶりだ。福祉国家として知られ、女性の政治進出も際立っている。

 外交は国連協力に重点を置く。クラスター(集束)弾禁止条約の制定に尽力した。同国のノーベル賞委員会が発表する平和賞は、人権擁護や国際協調への力強いメッセージとなってきた。

 日常生活は、テロとは無縁だったはずだ。そこに今回の事件である。国内はもとより国際社会も衝撃を受けている。

 現政権は、労働党など与党3党の中道左派連合である。地球温暖化や失業対策などに取り組んでいる。欧州には、移民の受け入れなどをめぐって極右勢力が伸びた国がある。今回の連続テロがその流れと関係するのか否かの見極めも必要になろう。

 イスラム過激派による9・11の米中枢同時テロから10年になる。米国を中心に対テロ作戦が展開された。それでも、各地のテロ行為はおさえ切れていない。

 ノルウェーの事件は、イスラム過激派のテロとは異なると警察はみている。だが、自分の意見に合わなければテロに訴えるといった発想は通底している。

 どんな主張があるにせよ、テロは許されない。この認識を強め広げることこそが、国際社会の任務だ。ノルウェーの政権を励まし、当局の捜査を見守りたい。

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