定例社長会見
2011年
島田社長6月定例会見 - 2011年6月30日 -

<地デジ移行について>
アナログ停波まで、あと24日。いよいよ第4コーナー、ゴール寸前です。準備は進めてきましたので、後は放送局としてギリギリまで周知徹底に力を注ぎ、スムーズな移行をしていきたいと思っています。
7月24日は、ひとつの歴史的な区切りになります。テレビ東京としては、長く親しんでいただいた12チャンネルと別れ、7チャンネルに完全に切り替わるという日でもあります。切り替えそのものは粛々とやりますが、記念すべき7月24日の番組を作りたいと思っています。
アナログ放送がお知らせ画面に全面移行する7月24日正午のまたぎは、ディズニーリゾートからの生中継を交えた特別番組を放送します(11:55~12:49)。また、ゴールデンタイムには、3時間の生放送(19:00~21:48)で「日曜ビッグバラエティ『ディズニー3時間生中継マジカルスペシャル!』」を放送します。東京ディズニーシーが、ちょうど10周年を迎えるということもあり、テレビ東京の番組と、東京ディズニーリゾートのコラボレーションを予定しています。司会には、堺正章さんと黒木瞳さんを迎え、子供から大人まで楽しめる番組にしたいと思っています。
お祭り騒ぎをするつもりはありません。しかし、テレビ東京にとっては、チャンネル番号が切り替わる記念すべき日でもありますので、番組を皆さんに楽しんでいただき、12チャンネルから7チャンネルに生まれ変わることを知っていただく。そして、テレビ界全体としては、アナログが停波し、完全デジタル化の時代に入る日だということを、お知らせしたいと思います。

(井上編成局長)
ゴールデンタイムの番組については、具体的に「シルク・ドゥ・ソレイユZED」からの生中継や、東京ディズニーリゾートにちなんだランキング形式の情報を予定しています。「開運!なんでも鑑定団」「空から日本を見てみよう!」「出没!アド街ック天国」など、番組とのコラボレーションを考えています。

(島田社長)
また、7月7・8日に開催する「地デジ7チャンてれとの日」(キッザニア東京)に、東日本大震災で被災された方々をご招待することになりました。はとバス、日本コカ・コーラ、森永製菓、ロック・フィールドといった協賛スポンサーも参画してくださることになり、とりわけ、はとバスには、各避難所とキッザニア東京間の送迎をしていただくことになりました。2日間で約300名の被災者の方々をお呼びしています。

<編成関連>
4月クールの視聴率は、第12週終了時(4月4日~6月26日)で、GH5.4%(前年比-0.6ポイント)、PT5.1%(同-0.6ポイント)、全日2.5%(同-0.3ポイント)です。12週連続でGH6%を下回り、苦戦が続いています。4月の新番組が期待通りに行っていないことが最大の要因で、特に金曜19時の『爆笑問題の大変よくできました!』と、20時の『ちょこっとイイコト岡村ほんこん♡しあわせプロジェクト』が極めて厳しい数字です。
月曜22時の連続ドラマ『鈴木先生』についても、各メディアに取り上げていただきましたが、視聴率には反映できませんでした。枠のありようや、番組の中味、そもそも連続ドラマをどう考えるか、といったいろいろな材料をきちんと分析し、情報を共有しようとしています。一方、『鈴木先生』の有料ネット配信やDVDセールスは好調なスタートを切っています。我々にとっては皮肉な結果ですが、テレビ東京ホールディングスとして、今後、コンテンツをどこに向け、どうビジネスを作るかという大きなテーマを考える上で、分析の必要があると思います。
全体としては、依然として試行錯誤が続いており、産みの苦しみが続いている状態です。この4月クールの状況を踏まえ、今、10月編成に向けて最終的な作業が進んでいるところです。ポイントをどう作り変えていくか、来年の4月編成に向けて、どんな考え方で準備をしていくか、改めて詰めていきたいと思います。

7月クールは、月曜22時に『IS(アイエス)~男でも女でもない性~』がスタートしますので、なんとか成果を出したいと思っています。今回の作品は、2人の女優さん(福田沙紀さん、剛力彩芽さん)によるダブル主演ですので、これまでの作品と比べて、少し華やかな映像になると思います。静かな社会問題に敢えて光を当てる作品でもありますので、なるべく多くの皆さんに番組の存在を知ってもらい、その上で評価をいただきたいと思っています。
金曜深夜のドラマ24は、マルチクリエイター・福田雄一さんをお迎えした作品『勇者ヨシヒコと魔王の城』を放送します。

また、今季のプロ野球については、当初BSのみでレギュラーシーズン8試合の中継を予定していましたが、8月16日(火)に地上波で「中日-巨人」を放送することが決まりました。同日のBSジャパンでは「西武-楽天」の中継を予定していますので、テレビ東京とBSジャパンによる"二元中継"をお楽しみいただければと思います。

<営業関連>
5月は単体の営業実績で、タイムが前年同期比-2.1%、スポットは-14.4%、タイム・スポットの合計で-5.8%でした。
6月から、自動車や保険といった業種で、少し動きが出てきました。このあたりの業種が徐々に復活してくれば、スポットはある程度読めてくると思います。タイムの6・7月については、去年はサッカーW杯があったため、前年比ではマイナスにはなりますが、そこそこ頑張れそうな気がしています。この調子で夏場をうまく乗り切り、9月以降につなげたいと思っています。

<アニメ関連>
(田村明彦取締役)
今夏公開する劇場用アニメ3作品の前売り状況をお伝えします。
まず、2作品同時公開で話題を呼んでいる「劇場版ポケットモンスター ベストウイッシュ『ビクティニと黒き英雄ゼクロム』『ビクティニと白き英雄レシラム』」(7月16日(土)2作品同日公開)。劇場版ポケットモンスターとしては14作目、ベストウイッシュシリーズとしては1作目となりますが、前売りは6月19日までの集計で、93万2000枚、前年比112.1%で推移しています。例年、公開までの2週間強で券売が伸びる傾向がありますので、各種プロモーションを盛り上げ、最後の一押しをしたいと考えています。

次に、7月30日(土)公開の「劇場版NARUTO-ナルト-『ブラッド・プリズン』」です。4月に前売りを開始し、しばらくは伸び悩んでいましたが、先々週あたりからかなり動きが活発になり、6月26日現在で、累計6万4000枚。直近1週間の数字を見ると、前年比122.9%とかなり追い込んできています。こちらも7月に入ってのプロモーションを積極的に行っていきたいと思っています。

8月27日(土)公開の「劇場版『ハヤテのごとく!!』」は、「魔法先生ネギま!」と2本立て同時上映になります。小学館のハヤテ、講談社のネギまというライバル社同士のコラボレーションで話題になっている劇場公開で、前売り券は合計で1万2000枚と、目標をかなり上回る数字でスタートしました。期待したいと思います。

<事業・コンテンツビジネス関連>
(井澤昌平 取締役)
7月15日(金)から始まるミュージカル「『テニスの王子様』青学VS氷帝」について。東京・大阪・名古屋・福岡4会場での公演となり、前売りが大変好調です。6月28日現在、4会場合計で94.5%の60,285枚が売れており、完売を見込んでいます。『テニスの王子様』については、テレビアニメの放送は終了していますが、こうしてイベントという形で残っている稀有なコンテンツだと思います。

7月31日(日)には『ピラメキサマーライブ2011 笑顔と元気だ!ピラメQノ』を、富士急ハイランド・コニファーフォレストで開催します。昨年も行ったファミリーエンタテインメントライブで、今年ははんにゃ、フルーツポンチ、ピラメキパンダに加え、若手人気芸人(しずる、パンサー、マテンロウ、ジャングルポケット)の出演が決まりました。昨年は生放送と連動させた夜の公演(18:00開演)でしたが、今年は照明をなるべく使わないようにするため、夕方の16:00開演としました。

続いて、出資映画の状況です。
今年の春、公開した『毎日かあさん』ですが、震災の影響もあり、興行収入は当初の目標に届かず、5億7000万円(6月27日現在)という数字でした。しかし、作品は高い評価をいただいており、第14回上海国際映画祭「アジア新人賞」部門で最優秀作品賞を受賞、また、第20回日本映画批評家大賞で、永瀬正敏さんが主演男優賞を受賞しました。これらの受賞をうけて、9月7日(水)発売のDVD&Blu-rayに期待しているところです。

現在、公開中の『ジュリエットからの手紙』は、テレビ東京にとって久しぶりとなる単館系の映画ですが、興行収入が9400万円(6月30日現在)と、1億円突破目前です。ほぼ目標通りの推移をしています。30~40代以上の女性から支持を受けて、満足度も高く、口コミで広まっているため、公開して7週目に入りますが、動員数の落ちが少ない作品です。

9月23日(金・祝)公開の映画『モテキ』は、先日、無事にクランクアップしました。現在、パルコ「グランバザール」とのタイアップなどプロモーションをしているところで、7月9日(土)から、劇場前売り鑑賞券を発売する予定です。
その『モテキ』については、作品周知を目的のひとつとして、7月8日(金)からドラマ『モテキ』をGyaO!で配信します(※GyaO!ストア=有料、Gyao!=無料)。また、テレビ東京のドラマ初となるBlu-rayBOXも、8月19日(金)に発売します。

一方、7月1日(金)からは、月曜22時で放送したドラマ3作品『モリのアサガオ』『最上の命医』『鈴木先生』を「J:COMオンデマンド」で有料配信することになりました。有料動画配信については、今年4月から「テレビ東京オンデマンド」というサービス名とともに本格的に取り組むことになりましたが、今回、J:COMでの配信がスタートし、今後は、ケータイ・スマートフォンも含めた各インフラで続々と配信を予定しています。
『鈴木先生』は、GyaO!ストア(6月時点)における4月クール配信中の全局ドラマで、ベスト3にランクインするほど、配信売り上げが非常に好調です。動画配信だけではなく、DVDの予約数も順調に伸びています。

7月15日(金)には、東京駅一番街東京キャラクターストリートにある「テレ東本舗」が、リニューアルオープンし、改装前よりも店舗面積が2倍以上に拡張されます。

また、7月上旬からは、テレビ東京ホールディングスとして初となる番組連動ソーシャルゲーム「韓カレ~100万回のサランヘヨ~」を、GREEで配信することになりました。BSジャパンで放送中の番組『MADE IN BS JAPAN』と連動し、同番組に出演する仮想K-POPユニットのメンバーと、恋愛ゲームを楽しめます。

Q.『鈴木先生』の動画配信が好調なことについて
A.(島田社長)
我々はこれからいろいろなコンテンツを作り、いろいろな見せ方をしていかなければならない、そういう集団になっていくわけです。正直、『鈴木先生』は地上波の22時台の番組としては失敗かもしれませんが、別のところで、熱心に見てくれる方たちの広がりがあるということです。どういうコンテンツをどういう人に向けて作り、どういう手段で流すかということをもっと考え、それがビジネスになるような仕組みを考えなければなりません。『鈴木先生』については、反省部分と、将来に向けての展望部分、両方の要素がありますので、ここはきちんと分析したいと思っています。

<『ありえへん∞世界』BPO審議入りについて>
(島田社長)
沖縄県南大東村から抗議を受け、当社でヒアリングをして調べた結果、いろいろと問題があることが分かりましたので、お詫びすべき点はお詫びをし、社内措置や外部プロダクションに対する指導を行った上で、BPOに報告をしました。その上で、BPOは審議対象にするという決定を下されたので、審議の行方を粛々と見守りたいと思っています。
南大東島のさとうきび農家の方々には大変ご迷惑をおかけして、申し訳ありませんでした。村長にもお詫びをさせていただきました。
「年収1000万円を超えるさとうきび農家が150~200名」と番組では表現しましたが、なぜ、そこでリサーチができなかったのか。また、そのさとうきび農家が通学事情の理由から本島に構えた家を、別荘と称し、ビバリーヒルズのイメージ映像を使った。なぜこんなことをしたか、なぜそれが止められなかったのか。これは局の反省です。
番組の品質について議論を重ね、それぞれ勉強会も開き、これまでやってきたことが、まだ徹底していなかったという思いです。制作ハンドブックを改定し、テレビ東京だけではなく、制作会社のスタッフにも徹底してもらいたい。今、改めてその作業をしているところです。大変残念な番組を放送してしまったという思いです。

Q.収録中の事故が続いていることについては
A.これも少し安全管理の面で気の緩みがあったのでは、と思います。番組出演者は一生懸命やってくださるわけですから、我々は当然、あらかじめその危険の範囲に対応しておかなければならない。テレビ東京として当然の責務ですので、この点で少し気の緩みがあったとしか思えません。出演者が安全に演技やゲームをしていただく環境を作るのは局の責任です。改めてそこを徹底します。


≪会見者≫
代表取締役社長 島田 昌幸
常務取締役 コンテンツ契約局、編成局、メディア・アーカイブセンター、制作局、ドラマ制作室担当
辻 幹男
常務取締役 経営戦略局、広報局、新規事業推進室担当 三宅 誠一
取締役 コンテンツビジネス局、事業局、ビジネス管理部担当 井澤 昌平
取締役 営業局担当補佐 兼 アニメ局担当 田村 明彦
編成局長 井上 康
広報局長 狐﨑 浩子
広報局次長兼広報・IR部長 澤田 寛人


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