地上デジタル放送完全移行まであとわずか。みなさんは地デジの準備はお済みですか?
CATVに加入しているからなにも用意しなくて済んだ方、テレビとチューナーを買い換え出費がかさんだ方、中には、もうめんどくさいからこれを機会にテレビなし生活を始めるという方もいらっしゃるかもしれませんね。
今日は、テレビが好きな人もそうでない人も見逃せない、7月24日午後11時59分59秒に迎える、地上アナログ停波の瞬間の楽しみ方をお伝えしていこうと思います。
■アナログ放送終了日である7月24日の流れ
ここで、アナログ放送終了から電波の送信を完全に止める(以下:停波)までの流れを簡単にご説明します。総務省「アナログ放送終了計画(第3版)」によると、原則として24日の正午までにアナログ放送を終了し停波。正午に停波することが技術的に難しい場合には、各放送事業者の判断で24日24時までに停波することとなっています。
概ね、各テレビ局は24日の正午でアナログ放送を終了。その後24時までブルーバックによるアナログ放送終了の告知をし、停波の流れになるようです。
■気になるのは最後の『局名告知』があるのかどうか!
ところで、テレビやラジオを放送する放送局が必ずやらなくてはいけないことがあるのをご存じですか。それは、『局名告知』といって、放送の開始や終了に、放送局に付与されている呼出符号や呼出名称を告知することなんです。
特にテレビにおいては視覚的な手法を併用することが義務付けられています。呼出符号というのは、コールサインとも呼ばれ、アナログテレビでは『JO〇〇-TV』、デジタルテレビでは『JO○○-DTV』と表記しているものであり、呼出名称は『〇〇テレビ』や『〇〇放送』と呼ばれるもののことを指します。
今回、デジタル放送完全移行に伴うオタク目線の山場はふたつあります。それは24日正午デジタル放送完全移行における各局の第一声はどんなものかということ。もうひとつは、アナログ完全停波を迎える24日23時59分ごろから流れる可能性のある最後の『局名告知』はどんなものになるのかということです。
■実は侮れない『局名告知』
深夜や早朝に放送される『局名告知』。どうせ見ていないんだし、手抜きした画像が流れているんだろ? と思ったそこのあなた。侮ってはいけません。
局名告知は秀逸な作品が数多く、愛好家も少なくないんですよ。優れた作品の紹介は後編にとっておくとして、放送批評の専門誌GALACに連載されていた高野光平『CMアーカイブの旅』2010年7月号の一節をご紹介しましょう。
夜中にひとり、暗い部屋でボーッとテレビを眺めているところに現れる、
何年も使いまわしたようなノスタルジックで幻想的な映像。
それが終わるとプツリと送信が途絶えて砂嵐が訪れる。
深夜の濃厚なクロージング体験は、テレビ視聴の隠れた醍醐味とも言えるものだ
まさに、マニアの気持ちはこの一言に集約されていますね。
いかがでしたか? 地上アナログ停波の楽しみ方、なんとなくお分かりいただけたでしょうか。
後編は、面白い『局名告知』とすでに停波直前のスケジュールが確定しているテレビ局の情報、そして大胆予測をお伝えします。お楽しみに!
【参考】
※ 無線局運用規則